かゆみ

かゆみそのものは症状であり、原因はほかにいろいろあるわけですが、かゆみをこらえきれず、かきむしったり、かき壊したりすることで状況を悪化させてしまいます。何とかかゆみの症状を抑えたいものです。

東洋医学的にいえば、五行思想から「皮膚」は「肺」、「大腸」と同様な分類「木」に属し、「肺」が「皮膚」を制御するとしています。

さらに、特に高齢者の場合、皮膚に発疹が出ていないのに、かゆみが出る場合があります。この症状を皮膚搔痒症と言いますが、体内の水分が不足し、体に余分な熱がこもっている状態である「陰虚」、血が不足し、循環が悪い状態である「血虚」によるものとみます。

「陰虚」と言う言葉はなかなか理解しがたいと思います。東洋医学の考え方の根本として「陰陽」と「五行」があり、「陽」は機能を表し「陰」は実体を表すとされています。例えば、
「気」(みえないもの)→陽に属する
「血」、「水(津液)」(みえるもの)→陰に属する
としています。

「虚」は不足している状態を表わします。

 

かゆみには、これらの考え方から治すことに加え、直接かゆみによく効くいくつかの特効穴を使います。

 

1. まず、かゆみによく効く特効穴です。

右図「かゆみ反応点」 (薬指と小指のまたの間から、1/3下がったところ)

右図「対屏尖」 (外耳道の前の耳たぶ側にある出っぱり(対珠)の頂点) 

別名、「耳下腺」とも言います。強力なかゆみ止めのツボです。

右図「治痒穴」 (上腕の外側、腋窩横紋と肩峰から下りた線の交点)

中国では乳首の水平線と肩峰から下りた線の交点にとりますが、ここでは括弧内とします。蕁麻疹のかゆみ止めにも有効です。

「臂臑」 (肩峰の外端で肘を上げると2つの凹みが生じ、その前の凹みより指4本下)

上肢を下ろした場合は5横指、三角筋前縁にとります。ほぼ、前脇下横紋端の水平線上です。「臂臑」は子供の皮膚病によるかゆみにも効きます。5~10分間隔で数回押してください。

 

右図「百虫窩」 (大腿骨内側膝蓋骨内上角の上方、指4本) 

むずむずしたかゆみ、湿疹に有効です。項番3の「血海」より指1本上方です。

2. 次に「肺経」と「大腸経」の経絡(ツボの経路)から、かゆみに効果があるツボです。

右図「合谷」 (第一、第二中手骨の基底部の前陥凹部、やや人差し指側) 

「列缺」 (両手の拇指と次指のまたを交差させ、示指の先端が当たるところのくぼみ(橈骨茎状突起のそばのV字型の割れ目))

右図「曲池」 (肘を深く屈し、肘下横紋の外端)

3. 次に「陰虚」、「血虚」への対応です。   

まず、「陰虚」への対応です。

右図「湧泉」 (五指を屈し足底中央の最も隅なるところ)   

中国では足の中心線で、指の付け根から踵までの長さの指の付け根から1/3のところにとりますが、ここでは少し上のくぼんだところとします。指圧するときは一番反応のある箇所を選んでください。指圧棒を使い、皮膚に直角に押し、最後に足先のほうに押しこんで脱力します。

右図「足三里」(膝の外側直下の小さなくぼみから指4本分下)

「足三里」は「陰虚」、「血虚」双方に有効です。

次に「血虚」への対応です。

右図「三陰交」 (内踝の直上指4本、脛骨の後縁)

「血海」(大腿骨内側膝蓋骨内上角の上方指3本)