かゆみ

かゆみそのものは症状であり、原因はほかにいろいろあるわけですが、かゆみをこらえきれず、かきむしったり、かき壊したりすることで状況を悪化させてしまいます。何とかかゆみの症状を抑えたいものです。 

 

 

《豆知識》

・かゆいところをかくことで、"快楽ホルモン"と呼ばれるドーパミンが分泌されます。かくことは快楽を伴います。

・過剰な掻破行動は、皮膚を傷つけ、それが原因でかゆみがさらに悪化し、かゆみの悪循環に陥ります。

・かくことで、「皮膚バリアの損傷」、「炎症性サイトカインの放出」、「軸索反射(はじめは皮膚の一部がかゆいだけなのに、いつの間にかその周辺もかゆくなる)」の3つの変化が起こり、かゆみも皮膚病変も憎悪します。

・高齢者に多い「乾燥肌」、「乾皮症」は、皮膚の保湿をすることがとても大切です。冬場に乾燥する最大の理由は「気温が低下することで血流が皮膚の表面に来なくなるから」です。

 

(豆知識の参考文献)

・小林美咲/監修(2017)『図解 がまんできない! 皮膚のかゆみを解消する正しい知識とスキンケア』日東書院本社.

・菊池新(2014)『なぜ皮膚はかゆくなるのか』PHP研究所.

 

 

東洋医学的にいえば、五行思想から「皮膚」は「肺」、「大腸」と同様な分類「木」に属し、「肺」が「皮膚」を制御するとしています。 

さらに、特に高齢者の場合、皮膚に発疹が出ていないのに、かゆみが出る場合があります。この症状を皮膚搔痒症と言いますが、体内の水分が不足し、体に余分な熱がこもっている状態である「陰虚」、血が不足し、循環が悪い状態である「血虚」によるものとみます。

 

 

かゆみには、これらの考え方から治すことに加え、直接かゆみによく効くいくつかの特効穴を使います。

 

1. まず、かゆみによく効く特効穴です。

右図「治痒穴」 (上腕の外側、腋窩横紋と肩峰から下りた線の交点)

中国では乳首の水平線と肩峰から下りた線の交点にとりますが、ここでは括弧内とします。蕁麻疹のかゆみ止めにも有効です。

「臂臑」 (肩峰の外端で肘を上げると2つの凹みが生じ、その前の凹みより指4本下)

上肢を下ろした場合は5横指、三角筋前縁にとります。ほぼ、前脇下横紋端の水平線上です。「臂臑」は子供の皮膚病によるかゆみにも効きます。5~10分間隔で数回押してください。

 

右図「かゆみ反応点」 (薬指と小指のまたの間から、1/3下がったところ)

右図「百虫窩」 (大腿骨内側膝蓋骨内上角の上方、指4本) 

むずむずしたかゆみ、湿疹に有効です。項番3の「血海」より指1本上方です。

右図「対屏尖」 (外耳道の前の耳たぶ側にある出っぱり(対珠)の頂点) 

別名、「耳下腺」とも言います。強力なかゆみ止めのツボです。

2. 次に「肺経」と「大腸経」の経絡(ツボの経路)から、かゆみに効果があるツボです。

右図「合谷」 (第一、第二中手骨の基底部の前陥凹部、やや人差し指側) 

「列缺」 (両手の拇指と次指のまたを交差させ、示指の先端が当たるところのくぼみ(橈骨茎状突起のそばのV字型の割れ目))

右図「曲池」 (肘を十分屈曲して、肘窩横紋外端の陥凹部)

3. 「陰虚」、「血虚」によるかゆみ対応は、「冷え症」ページも参照してください。