初期の風邪のツボ

風邪を引いたとき、他の症状があまりなく、のどが痛い段階で治したいものです。いくつ方法がありますが、お勧めは次の二つの方法です。

 

①「合谷」 (第一、第二中手骨の基底部の前陥凹部、やや人差し指側)

人差し指側にこねるように押します。

 

②第七頸椎から第四胸椎までの棘突起の下縁(椎骨間のくぼみ)、棘突起の下縁の指1本弱外側を探り、強い痛みを発する箇所を三~5回程度押します。症状が軽くなるにつれて痛みが和らいできます。

 

第七頸椎の棘突起という言葉が出てきましたので、ここで説明しておきます。第七頸椎棘は、首を前に曲げると首と背中の付け根に飛び出る椎骨で、丸く一番大きく見える骨です。棘は椎骨の後端が隆起し、突出したもの(突起)を意味します。人によっては、第六頸椎が大きく見える人もいます。その場合は、次の方法で判別します。

第七頸椎は頸椎(首の骨)の一番下で、髪の生え際から指4本下の大きな椎骨です。次の胸椎(背骨)の一番上との違いは首を縦横振ってみると動くのが頸椎、動かないので胸椎です。また、首を後ろに倒すと奥に引っ込むのが頸椎です。動く椎骨と動かない椎骨の間のくぼみが他に比べて一番大きいのも特徴です。

 

それ以上ひどくなった場合は、「風邪」ページを参照してください。

 

 

慢性の歯周病によく効くツボ

80歳以上になっても、何とか自分の歯を残し、自分の歯で食べ物を食べたいものです。慢性の歯周病の方にぜひお勧めのツボがあります。「女膝」というツボです。女室とも言います。このツボは江戸時代の文献にも記載されている歯周病には定評のあるツボです。

 

右図「女膝」 (踵の尖端で、足の裏の赤っぽい色から「かかと」の普通の肌色に変わるその境界線のところ)

 

いくつか留意点があります。

・両方の足にお灸をします。

お灸の煙が苦手な方は煙が出ないタイプをお使いください。

・毎日施灸することを勧めます。数年にわたる慢性の場合、長期間の施灸になります。症状がなくなっても施灸をすることを勧めます。

・慢性の場合は、熱くありません。熱くなるまで壮数を重ねてください。少しでも熱さを感じるまで施灸してください。

・お灸をする位置がだんだんずれていくことがあります。定期的に確認をし、マジックで印をつけ、施灸してください。

 

歯の養生」ページもぜひご参照ください。

なお、このツボにお灸を続けると便通も良くなります。思わぬ効用です。

 

《参考文献》

・深谷伊三郎(1977)『名家灸選釈義』刊々堂出版社.

・深谷伊三郎(1978)『名灸穴の研究』刊々堂出版社.

 

 

低気圧が来ると調子が悪くなる

今年2018年の9月は低気圧が停滞し、雨が多く、また台風も次々と上陸し、その所為かボーとする、体がだるい、関節が痛いといった不調を訴える人が少なからずいました。いわゆる気象病と言われています。気象病で有名なドクターの本からまとめますと次のようになります。

 

・気象病とは? → 気温、湿度、気圧、そして天候の変化によって引き起こされる心身の不具合の総称

・何故、発症するか? → 気圧の(急激な)変動による交感神経の乱れが原因である

・どういう人が発症するのか? → 内耳が敏感な人が多い → 内耳に気圧のセンサーがある → 交感神経を興奮させる

 

ツボ療法としては「自律神経を整える」、「冷え症の改善」、「体質とツボ/痰湿の改善」の観点からツボを選び、「気象病」というページを設けました。ぜひご参照ください。

 

《参考文献》

・佐藤純(2017)『天気痛 つらい痛み・不安の原因と治療法』光文社新書.

・佐藤純(2015)『天気痛を治せば頭痛、めまい、ストレスがなくなる』扶桑社.

・渡邊章範(2015)『その痛みやモヤモヤは「気象病」が原因だった』青春出版社.

・福永篤志(2015)『その症状は天気のせいかもしれません』医道の日本社.

 

 

膝の内側の痛み

加齢とともに膝の内側に痛みが出てくる人が多くなりました。私自身もそうです。慢性化し、すこし無理をすると痛みが出てきます。屈伸をしたときに膝が足の先端の方向より内側に入ることによる損傷が多いと思われます。

 

少し痛いときやだるさが出たときの治し方です。このときに処置をすると痛みが和らぎ、支障が無い状態になります。

 

いずれのツボもピップエレキバンを貼るかお灸がお勧めです。せんねん灸が手軽です。熱くなるまで壮数を重ねます。大体5壮ぐらいですこし感じるはずです。熱い場合はすぐ取り除くことがコツです。水疱になることを防ぐためです。

 

1. 「犢鼻(外膝眼)」 (膝の前面で膝の下にできるくぼみの外側)、「内膝眼」 (膝の前面で膝の下にできるくぼみの内側)

だるさだけでしたら、この二つのツボだけでも結構です。

 

2. 膝の内側に何かの拍子に痛みが走る箇所があります。その場所を覚えておいて、対象のツボとします。よく効きます。

 

3.  かなり良くなってきているものの、ある動きをした時、またある姿勢をした時に膝の痛みまたはこわばりが残っている場合があります。その場合のツボです。

大都」 (足の母指内側第一中足指節関節の前陥中)

太白」 (足内側、第一中足指節関節の近位陥凹部、赤白肉際)

 

ツボの図、位置は「膝痛」ページを参照してください。

 

 

打撲の施術

最近、顕著な改善例として実感したのは打撲の療法です。

 

皮下出血を起こしているまわりをシャープペンシルの先(芯を出していない状態)でチクチクと刺激をします。毎日、2~3回行います。数日後、ある程度腫れが引いてきたら、皮下出血を起こしている箇所も含めて刺激をするという方法です。詳細は「打撲」を参照してください。

 

なお、打撲を起こした直後のアイシングは必須です。

 

 

自分で行うツボ療法、運動療法による養生

本サイトに掲載してあるページから、ツボ療法、運動療法の経験のない方が初めて養生を行う場合のお勧めのページをご紹介します。

 

東洋医学では養生医学も一つの分野で、養生の要素として、生き方、生活習慣、食事、呼吸、運動、手技療法等があります。養生は積極的な取り組みが必要です。

 

1. ツボ療法の方法

・事前に一読してください。

 

2. 養生のツボ

・特にお勧め…足の反射区、三里、三陰交、合谷、井穴(爪の生え際)

・道具…指圧棒、井穴は爪でチクチク

・タイミング…毎日

 

3. 運動による養生法

・特にお勧め…肩甲骨まわりのストレッチ、スワイショウ、耳ひっぱり(三方向)

・タイミング…毎日

 

4. 脳の疲れ

・特にお勧め…頭頂部、後頭部、後頚部

・道具…不要、指先を使用

・タイミング…疲労時(ストレス対応)

 

5. 美容(たるみ)

・顔のたるみは早めのケアが大事です。目、歯の養生も兼ねています。

・特にお勧め…目のまわり、顎及びほうれい線のまわり

・道具…不要、指先を使用

・タイミング…毎日

 

 

 

トイレ内で出そうでなかなか出ない場合の対処法

講座を受講している方から教わった方法です。便座に座った姿勢で仙骨を、正中線から2~3cm離れたところを縦にマッサージします。なかなか良い方法です。ガスがたまったときも有効です。

 

但し、5分経っても出ない場合はまだその時期ではないとし、諦めた方が良いです。いきみすぎて痔になるのも嫌ですから。この場合は、一旦部屋に戻って、仙骨をマッサージします。もよおしてきたら再挑戦です。

 

 

眼痛のツボ、大骨空

パソコンで調べ物をしていたところ、開けているのが困難なほど目が痛くなってきました。目の乾燥はそれほど感じません。とりあえず、定番の目のまわりのツボを押圧し、寝ることにしました。未明に目が覚め、目が痛い状況は残っています。眼科に行くことも覚悟しました。そこで大骨空というツボで爪を立てたところ、差し込むような痛みがあったため、さらに爪で刺激をしました。このツボは緑内障、目の痛み、眩しさに定評のあるツボです。

翌朝起きて、目の状況は改善していました。眼科に行く必要はなさそうです。パソコンのディスプレイ設定(明るさの変更)も変えました。

 

「大骨空」 (親指を屈して第一関節背側の骨上の中点)

このツボは三つあります。第一関節骨上の中点、第一関節横紋頭尺側、第一関節横紋頭橈側です。私の今回の場合は親指を屈して第一関節の骨上の中点に取りました。

 

どの経絡に属さない、そして患部から遠く離れている不思議なツボです。

 

 

 

手軽にできて効果がある手指のツボ

最近、その良さを実感しているのは手指のツボと手法です。ツボ、手法は、中国古来の経絡、気功法の捏五指法、韓国で創案された高麗手指鍼を基にしています。時間と場所を選ばず、手軽にできます。

 

自分が体験する最近の実感としては、

1.手足の冷えへの対処です。1年前の冬から薄着に挑戦しているせいか、手足が冷えます。いろいろなツボでの対処がありますが、手の各指を根元から先端まで、人差し指と親指で、または拇指球と小指球で挟みながら斜めの方向に押しもむ手法が一番よく効きました。なお、手の冷えは人差し指及び薬指を、足の冷えは(手の)親指及び小指を揉みます。

 

2.無理をしたせいか左手親指が腱鞘炎になりました。その対処です。左手親指は、左手薬指の第一関節が対応します。その関節及びその遠位(指先側)を爪、シャープペンシルの先(芯を出していない状態)でチクチクと刺激をします。もちろん、特効穴「陽谿」というツボにもピップエレキバンを貼ります。さらに加えて炎症を速やかに取るため、患部を取り巻く円の形でチクチクと刺激をします。いつの間にか痛みを忘れてしまいます。

 

自分への応用は以上ですが、すこし体系化して、「養生のツボ」として手指への手法も入れました。ぜひ参考にしてください。