咳喘息

咳喘息は長引くと気管支喘息に移行する可能性もあり、医師の受診は必須です。治るまで1~2ヶ月はかかり、風邪をひいたときの咳止めの薬では効きません。咳喘息用の薬を調合してもらうことですが、補完する意味で次のツボ療法を施術してください。即日に効果が出ます。

 

東洋医学的な考え方としては、咳喘息は空咳が続き、肺の水分が不足し、肺、気管支、気道の呼吸器官が乾燥状態となるためとしています。治し方は、に関わるツボ、肺と表裏関係のある大腸(水分の吸収)、肺と親子関係にある腎(水を司る)のツボで補完をします。

 

空咳とともに、胸やけや胃から口の中にかけて様々な症状を自覚する場合は逆流性食道炎を疑ってください。医者の診察が必要です。

 

以下、手法を紹介していきますが、背中のツボについてはペアでケアする場合に使用してください。

 

1. 定番のツボです。

右図「天突」(胸骨脛切痕の上縁陥中)

発作の時に人指し指を曲げてかぎ状にして下にやさしく押し込みます。強く押したり、垂直に押さないでください。

中府」(鎖骨の外端の下方の陥凹部から指1本半下)

肋骨に沿って体の奥深く指を入れ込み、ゆっくりと押します。上肢の内側に響きます。

 

右図「孔最」 (肘関節前面上腕二頭筋腱の外縁と腕関節掌側腕横紋の橈側端を結ぶ線の中点より指1本上方)

2. 肺に関わるツボを使い、呼吸器系を強化します。次のいずれの方法でも結構です。

①足の甲の肺の反射区を使います。

右図の足指の中足骨間に指または指圧棒をさしこみ押していきます。特に第一中足骨と第二中足骨の間を念入りに押しこんでください。逆流性食道炎も第一中足骨と第二中足骨の間を押し込みます。指圧棒の場合、強く押しすぎると皮下出血を起こしますので、ご注意ください。

 

②肩甲骨の高さの脊椎近くのツボを使います。

第七頸椎から第四胸椎までの棘突起の下縁(椎骨間のくぼみ)及び棘突起の下縁の指1本弱外側を探り、強い痛みを発する箇所を3~5回程度押します。症状が軽くなるにつれて痛みが和らいできます。

 

上記の箇所の中には、大椎、陶道、神道、定喘(ていぜん)、華佗夾脊(かだきょうせき)の名前がつけられています。

 

第七頸椎棘という言葉が出てきましたので、ここで説明しておきます。第七頸椎棘は、首を前に曲げると首と背中の付け根に飛び出る椎骨で、丸く一番大きく見える骨です。棘は椎骨の後端が隆起し、突出したもの(突起)を意味します。人によっては、第六頸椎が大きく見える人もいます。その場合は、次の方法で判別します。

第七頸椎は頸椎(首の骨)の一番下で、髪の生え際から指4本下の大きな椎骨です。次の胸椎(背骨)の一番上との違いは首を縦横振ってみると動くのが頸椎、動かないので胸椎です。また、首を後ろに倒すと奥に引っ込むのが頸椎です。動く椎骨と動かない椎骨の間のくぼみが他に比べて一番大きいのも特徴です。

 

肩甲棘突起内端を結んだ線上が第三胸椎棘下縁になりますので、これも目安としてください。

 

③肩甲骨内縁のツボを使います。

右図魄戸」 はっこ (第三、第四胸椎棘突起間脊柱の傍、指4本、肩甲骨内縁)

「膏肓」 こうこう (第四、第五胸椎棘突起間脊柱の傍、指4本、肩甲骨内縁、最も強い響きのあるところ)

神堂」 (第五、第六胸椎棘突起間脊柱の傍、指4本、肩甲骨内縁)

譩譆」 いき (第六、第七胸椎棘突起間脊柱の傍、指4本、肩甲骨内縁)

膈兪」 (第七、第八胸椎棘突起間脊柱の傍、指2本)

「膈兪」は左右の肩甲骨下縁を結んだ線上を目安にしてください。

気喘」 きぜん (膈兪の外上方の痛み、硬結があるところ)

 

3. 前胸部の腎の経絡のツボを使います。

前胸部で鎖骨下縁から各肋間で正中線の外方指3本のところを順番に押していきます。

次のようなツボが並んでいます。

 

兪府 (前胸部、鎖骨下縁、正中線の外方指3本)

彧中 いくちゅう(前胸部、第1肋間、正中線の外方指3本)

神蔵 (前胸部、第2肋間、正中線の外方指3本)

霊墟 れいきょ(前胸部、第3肋間、正中線の外方指3本)

神封 しんぽう(前胸部、第4肋間、正中線の外方指3本) 

歩廊 (前胸部、第5肋間、正中線の外方指3本)

 

4.  水分の吸収を促進する、腸管免疫を高める目的で大腸の機能を活性化します。次の二つの方法のどちらでも結構です。

①足裏の大腸ゾーン」、「小腸ゾーン」を押し揉んでください。

まず、「大腸ゾーン」で、1から5のラインです。2と3のラインはリスフラン関節の少し下方(但し、第四中足骨基底部では同関節の上方)、5のラインは内髁と外髁を結んだ線になります。指圧棒または歯ブラシの柄の先でも結構です。右足から左足での数字の順番に押してください。次に「大腸ゾーン」に囲まれている「小腸ゾーン」(土踏まずのリスフラン関節より踵側)で、斜線部分です。

 

右図のおなかのツボを押し揉んでください。少なくとも朝起きたときと夜寝るときに寝床で行って下さい。

「府舎」 (鼠径溝の中央から指1本上方)

「腹哀」 (上腹部、臍中央の指4本上方、前正中線の指3+3本外方)

 

仰向けに寝て膝を立て、おなかの筋肉をゆるませます。左右の親指と中指及び薬指で二つのツボをシーソーのように交互に50~100回ぐらい押し揉みます。腸そのものを揉むイメージです。ツボの位置のまわりも含めてください。ツボの位置のまわりも含めてください。