耳ツボ図解

本サイトで紹介しています各耳ツボを図解します。

本サイトでの耳ツボは次の視点から捉えています。

①未病、疾患ごとの治療点………図1、図2

②美容を目的………図3の一部のツボ

③ダイエット(ここでは食欲抑制)を目的………図3

④気持ちを落ち着けることを目的………図4

⑤自律神経を整えたり、気象病(注参照)の改善を目的………図5

 

[注]気象病:天気の変化、特に低気圧や台風が来ると体調が悪くなるといった症状

 

《図1》

[注]

①「内鼻」は図3の「副腎(腎上腺)」の裏側という説と耳珠内側下方の1/2という説がありますが、どちらでも結構です。指または爪で押す限りにおいては大差ありません。

②「扁桃腺」の疾患に「睡眠時無呼吸」を挙げましたが、この病気の耳ツボとして「気管」、「咽喉」、「外鼻」、「内鼻」も加えてください。なお、このツボの名前は一般的に「扁桃体」、一部に「扁桃腺」と表記されています。英語名は「Tonsil」であることから本サイトでは「扁桃腺」と表記します。

③「風渓」は耳の上の方の溝(舟状窩)で耳の一番高い所から少し外側に下がったあたりにあります。耳介結節(耳輪の後上部の縁にある突起)の下になります。

④「目」は仮性近視、眼精疲労等の非炎症性疾患、「眼」は結膜炎、ものもらい等の炎症性疾患に使用します。

「目」 (珠間切痕の前下方、後下方)

「眼(がん)」 (耳垂中央の真ん中)

 

《図2》


[注]

「降圧溝」は耳の上部外側の裏側に縦及び斜めに走っている溝です。「耳背溝」とも言います。右図は耳の後ろから見た「降圧溝」です。耳背に対輪と対輪上脚、対輪下脚により作られるY字型の溝があります。耳輪の上の方を横に引っ張るとY字型の溝が良くわかります。

「肩こり帯」は耳の外縁で耳輪と対輪に挟まれたくぼみ(舟状窩)に取ります。ほんの少し後下方に引っ張りながら押し揉みます。

③「胸椎」、「頸椎」のエリアは対輪にあり、親指と人差し指で挟むように押し揉みます。 

「骨盤腔」は対輪上脚と対輪下脚によってできる角(分岐)という説と、三角窩(耳の上部、対輪上脚と対輪下脚によって囲まれている三角状のくぼみ)を3等分し、後方1/3の区域の下方で対輪下脚寄りという説がありますが、股関節痛の場合は前者とします。

《図3》

・食道、噴門、胃:胃の働きを正常化して活発にする、消化力を高める

・脾:⇒× 食欲不振や下痢、むくみの改善 ⇒ 食欲抑制にならない

上肺、下肺新陳代謝、血行、排泄を促進し、ダイエットのほか、風邪の治療等、幅広い効果 ⇒ 美容には欠かせない

・神門:精神安定、自律神経のバランス改善、不眠症にも最適

・渇点:喉の渇きを抑え、水分の過剰摂取を抑制

・飢点:食欲抑制 ⇒ 代表的なダイエットのツボ、このツボだけでも食欲抑制に十分な効果を発揮

・副腎:ホルモンバランス(特に副腎ホルモン) ⇒ 美容には欠かせない

・内分泌:ホルモンなどの内分泌系の乱れを正常 ⇒ 美容には欠かせない

 

[注]

①「飢点」には二つ説があります。

その1は図1の「外鼻」、その2は耳珠の前のやや下です。本サイトでは依存症のツボとして後者を採用しています。と言っても、1mm~2mmしか離れていません。「やや下」 の目安は、耳珠の中心を通る水平線と耳の穴の下にある切れ込みの水平線の間を3等分し、上の1/3の中心としてください。爪で押さえます。

②「副腎」、このツボは「腎上腺」ともいいます。効果は副腎ホルモンの調整です。位置としては耳穴の前にある膨らみ部分(耳珠)のすぐ下になりますが、目安として耳珠の頂点が一つの方は耳珠の下1/3、頂点が2つある方は下の方の頂点上にとります。一部内側に入りますので、少し痛いですが、爪で挟むように押さえます。

③「内分泌」の位置は耳の穴の下にある切れ込み(珠間切痕)の内側の底で、小さな平らな丘になっているところになります。珠間切痕を指で挟みます。

④「神門」の位置は耳の上部、三角形をした浅いくぼみ(三角窩)、正確には対輪上脚と対輪下脚によってできる角の上、対輪上脚寄りに取ります。三角窩を3等分し、後方1/3の区域の上方対輪上脚寄りです。夜目が覚めて眠れないとき、このあたりを爪で刺激をし、あくびが出ればツボに当たったと思って結構です。

「上肺」、「下肺(かはい)」の位置は、耳の穴につながる大きなくぼみ(耳甲介腔)の中央に「心」というツボがありますが、その「心」を取り巻くという説と「心」の外方で対輪内側縁と「心」の間の上下という説があります。本サイトでは「心」上下に取っています。爪で押します。

⑥美容で「上肺」、「下肺」、「副腎」、「内分泌」を刺激する場合、次の方法が簡単で気持ちよくでき、お勧めです。耳甲介腔の中央や耳孔に中指の先端を当て、親指を耳の後ろから挟むようにして軽くもみ、「副腎」や「内分泌」を越したあたりで軽擦しながら下の方にほんの少し引っ張ります。

 

《図4》

次の図はノジェ式による三角窩(耳の上部、三角形をした浅いくぼみ)、耳垂(耳たぶ)の刺鍼点です。(鍼療法図鑑:ハンス‐ウルリッヒ・ヘッカー(ほか著)、兵頭明(監修):ガイアブックス(発行元)を参考にしています)

[注]

①「神門」 (耳の上部、三角形をした浅いくぼみ(三角窩)、正確には対輪上脚と対輪下脚によってできる角の上、対輪上脚寄り。三角窩を3等分し、後方1/3の区域の上方対輪上脚寄り)

精神安定、自律神経のバランス改善に著効のある最も重要なツボ

②「交感」 (対輪下脚と耳輪の交差部)

自律神経のバランス改善、安定に重要なツボ

③「攻撃性抑制点」 (珠間切痕縁の下、顔より)

依存症、重要な精神作用点

④「不安及び心配点」 (攻撃性抑制点の下)

不安、心配

⑤「抗鬱点」 (攻撃性抑制点と同じ高さ、耳輪の内側)

憂鬱な気分

⑥「悲しみ及び喜び点」 (耳垂の後頭部、不安及び心配点と同じ高さ)

生きる喜びの喪失、悲しみ

⑦「マスター・オメガ・ポイント」 (耳垂の下部(尾側部))

自律神経系の調和、重要な精神作用点

 

《図5》

耳のまわりにもぜひご紹介したい良いツボがあります。自律神経を整えたり、気象病(天気の変化、特に低気圧や台風が来ると体調が悪くなるといった症状)を改善します。

 

親指と人差し指で耳の上、下、横を挟み、それぞれ上方、下方、横方向にそれぞれ3~5回ずつやさしくひっぱります。コツは次の通りです。

・右図矢印の元から先端の方向に指で軽擦しながら引っ張ります。

少し顔を上向き加減にして、口をぽかんとあけます。自然にあくびが出れば正解です。

 

耳をめぐる経絡のツボから改善します。これもあくびが出れば正解です

右図「翳風」 えいふう (耳垂後方、乳様突起下端前方の陥凹部)

耳たぶの後ろにあり、口を開けば陥凹部が現れます。口を軽く開けた状態で押します。自律神経を整える定評のあるツボです

「瘈脈」 けいみゃく (耳の上角と翳風の耳の輪郭に沿って結ぶ曲線上、翳風から1/3で乳様突起中央の陥中)

「顱息」 ろそく (耳の上角と翳風の耳の輪郭に沿って結ぶ曲線上、翳風から2/3で骨陥中)

「耳門」 じもん (耳珠の上切痕前陥中)

「聴宮」 ちょうきゅう (耳珠中央の前の陥中)

「聴会」 ちょうえ (耳珠の前下方で口を開いたときの陥中)

ダイエットの耳ツボ「飢点」はこのツボより上方で耳側になります。

「耳門」、「聴宮」、「聴会」とも、少し顔を上向き加減にして、口をぽかんと口を開けながら、凹んでいるところを押すのがコツです

これらのつぼをやさしく軽擦しても結構です。

 

右図「率谷」 そっこく (耳尖の直上、指2本)

「天衝」 てんしょう (耳介の付け根の後縁の直上と率谷と同じ高さの交点)

「浮白」 ふはく (頭部、乳様突起の後上方、天衝と完骨(項番1)を結ぶ(耳の輪郭に沿った)曲線上、天衝から1/3) 

「頭の竅陰」 きょういん (頭部、乳様突起の後上方、天衝と完骨(項番1)を結ぶ(耳の輪郭に沿った)曲線上、天衝から2/3) 

 

右図「完骨」 (乳様突起下端より後上方指1本弱(骨がくぼんだところ)または乳様突起下端より後下方、陥凹部)

翳風とともに自律神経を整える定評のあるツボです

右図「安眠」 (耳たぶのうしろに触れる乳様突起という骨(頭蓋骨の一部の尖ったところ)の後ろ側の少しくぼんだところ、もうひとつ、乳様突起の指1本下)
二か所あります。押して気持ちが良いところに探ります。乳様突起の後ろのほうが気持ちが良いと思います。眠りを誘う良いツボです

 

「完骨」と「安眠」はほとんど隣り合わせで、図がわかりにくくなるため、別の図にしました。