十二経筋で使用するツボ図解

 

 

経絡の分類のなかに、「十二経筋」というのがあります。

経絡は、身体を縦に連絡する「経脈」と、身体を横にあるいは経脈間を連絡する「絡脈」から構成されます。「十二経筋」は経脈の一つです。

・経脈は十二経脈、奇経八脈、十二経筋、十二経別

・絡脈は十五絡脈、浮絡、孫絡

 

 

十二経筋は体表と筋肉を運行します。従って、関節や筋肉を主体とした運動器系愁訴や治療後に残る動作時の痛みに対応します。

十二経脈の分布とほぼ一致しますが、六臓六腑は通りません。従って、十二経筋の呼び名には臓腑の名前がありません。

 

痛みやこわばりのあるところを流れている経絡の熱を取るツボ「滎穴」、関節の痛みを取るツボ「兪穴」と呼ばれているツボを使います。「滎穴」、「兪穴」を使う手法は篠原昭二先生が著書で勧めている手法です。

 

 

(参考文献)

・篠原昭二(2005)『誰でもできる経筋治療』医道の日本社.

 

かなり良くなってきているものの、ある動きをした時、またある姿勢をした時に痛みまたはこわばりが残っている場合に使います。ピップエレキバンを貼るか、せんねん灸をします。 

 

それでは、本サイトで使用しているツボの一覧を紹介します。

 

1. 手のツボです。

①痛みやこわばりが肩や腕の前面に残る場合です。

右図「魚際」(手掌、第一中手骨中点の橈側中央、赤白肉際陥凹部)

ここでの赤白肉際とは手掌と手背の境目です。以下同様です。その境目にくぼみがあります。

「太淵」 (手関節掌側横紋の橈側端、陷中)

 

②痛みやこわばりが肩や腕の前面やや外側に残る場合です。

右図「二間」(示指、第二中手指節関節橈側遠位(指先側)陥凹部、赤白肉際)

「三間」(手背、第二中指節関節橈側の近位(手首側)陥凹部)

ここでの遠位とは指先側、近位とは逆に手首側です。 

 

③痛みやこわばりが肩や腕の外側に残る場合です。

右図「液門」 (手背、薬指と小指の間、水かきの近位陥凹部)

手背部第四と第五中手関節白肉際にとります。

お灸の場合、やりにくい位置にあります。輻射熱で近くの皮膚がやけどをしないように十分注意をしてください。

 

「中渚」(第四、第五の中手指節関節の後ろ陥みの間にある) 

④痛みやこわばりが肩や腕の後側に残る場合です。

右図「前谷」(小指尺側第五中手指節関節の前陥中(遠位)、赤白肉際) 

「後渓」(手背、第五中指節関節尺側の近位陥凹部、赤白肉際)

 

 

 

2.足のツボです。

①痛みやこわばりが足の前面や外側に残る場合です。

右図「内庭」 (足背、第二、第三足指間、みずかきの後縁、赤白肉際(第二、第三中足指節関節の前、外側陥凹部))

「陥谷」 (足背、第二、第三中足骨間、第二中足指節関節の近位陥凹部)

 

「内庭」、「陥谷」で効かない場合は次の「外内庭」、「外陥谷」を追加してください。篠原昭二先生が勧めているツボです。

「外内庭」 (足背、第三、第四足指間、みずかきの後縁、赤白肉際)

「外陥谷」 (足背、第三、第四中足骨間、第三中足指節関節の近位陥凹部)

 

それでも効かない場合は次のツボを加えてください。

「侠𧮾」 (足背、第四、第五足指間、みずかきの近位、赤白肉際)

「足臨泣」 (第四、第五中足骨接合部の前、足の薬指と小指の間を押し上げて止まるところ)

 

②痛みやこわばりが足の内側に残る場合です。

右図「大都」 (足の母指内側第一中足指節関節の前陥中)

「太白」 (足内側、第一中足指節関節の近位陥凹部、赤白肉際)

「公孫」 (足内側、第一中足骨底の前下方、赤白肉際)

「公孫」は滎穴、兪穴ではありませんが、有効です。 

 

次のツボも有効です。特にイライラが伴っている場合です。

右図「行間」 (足背、第一、第二足指間、みずかきの近位、赤白肉際)   

「太衝」 (第一、第二中足間を圧上して指の止まるところ)

③痛みやこわばりが足の後面に残る場合です。

右図「足通谷」 (足外側、第五中足指節関節の遠位、赤白肉際)   

「束骨」 (足外側、第五中足指節関節の近位、赤白肉際)