美容

美容のためのツボ療法の狙いは、顔の血流の改善、肌のうるおい、たるみやむくみの改善、生き生きした表情です。男性にもぜひ実践してもらいたいと思います。本ページでは、美容全般にわたる改善のツボを紹介しています。顔、手、耳、足のツボ及び反射区を使います。ツボ数が多いのでツボ療法に慣れた方向けです。美容以外の効用も多々あります。日常の生活の中に組み込んでください。

 

1. まず注意点です。

・顔のツボは優しく温めるように押していきます。決して強く押さないようにしてください。

・押す指以外の指は必ず「支え」で使います。

 

2. 顔のツボを使った療法です。ツボの名前、位置、効果について記述します。図では正中線のツボ以外は片方しか表示していませんが、両側を施術します。

 

額、眉間のしわ、シミ

「額中」 (額のほぼ中央)→おでこのしわ

「陽白」 (前頭部眉毛中央より親指幅1本上)→はり、シミ

眉間と前髪際間の下から1/3で、小さなくぼみがあります。下記の「四白」とあわせ、美白のツボと言われています。

「印堂」 (両眉の中間)→おでこのしわ

鼻炎、頭痛にも即効性がある有名なツボです。

「山根」 (両目の間で、両目の瞳を結んだ線よりやや上)→眉間の小じわ 

 

目のまわりのたるみ 

疲れ目、視力回復にもよく効きます。

「攅竹」 (眉毛内端の陥中)→まぶたのむくみ 

「魚腰」 ぎょよう (眉の中央部分の少しまぶたに下りた眼窩のきわ)→上まぶたのたるみ

親指で斜め上45度の方向に押す感じです。視力を改善するツボとしても有名です。

「絲竹空」 しちくくう (眉毛外端の陥中)→たるみ

小刻みに押します。  

「瞳子髎」 どうしりょう (外眼角の外方指1本弱、骨が少し陥凹するところ)→目じりのしわ、乾燥  

「球後」 (目尻から目頭に向かって1/4の目のふち)→下まぶたのたるみ

1/4が分かりにくいと思います。人差し指を横にして指の腹全体で軽く抑えます。 

「晴明」 (顔面部、内眼角の内上方と眼下内側壁の間の陥凹部)→疲れ目

目頭より内側やや上(3~4mm)の鼻根部の小さなくぼみで、鼻に向かって垂直に軽く押します。

 

はり、シミ全般

「四白」 (眼窩下縁下方(親指幅1本下)眼窩下孔部)→はり、シミ

「顴髎」 けんりょう (頬骨の下縁目じりの直下陥中)→顔のゆがみ、顔のシャープさ、小じわ、法令線、シミ・そばかすを薄くする

 

法令線

「巨髎」 こりょう (鼻孔の外方八分(1cm)瞳子の直下)→法令線の解消、頬のたるみ

「散笑」 (法令線の中央、迎香と地倉の間)→二重顎

「迎香」 (鼻唇溝中(法令線上)、鼻翼(小鼻)外縁中点と同じ高さ))→乾燥

口元のたるみ

「地倉」 (口角の傍四分(5mm))→はり、口元のたるみ

「承漿」しょうしょう (頤唇溝(いしんこう)の中央(下唇の下端と顎のふくらみとの中間))→ニキビ、吹き出物の予防

顔全体のむくみ、顎のたるみ

歯の養生にも効果があります。

「太陽」 (目じりから髪の生え際に向かう間にあるこめかみの大きなくぼみ)→顔のむくみ

「下関」 げかん (頬骨弓の下縁中点と下顎切痕の間の陥凹部)→顔のたるみ

耳珠の下の方の前に下顎骨関節突起が触れ、さらにその前の陥凹部にとります。口を開けると下顎骨関節突起が前に移動して陥凹部が持ち上がります。

「頬車」 (下顎角の指1本前上方)→顔のシャープさ、顎のたるみ

「大迎」 (下顎角の前方指2本半弱の陥凹部、動脈手に応じるところ)→顔やせ 

 

首、顎のたるみ、しわ

右図「上廉泉」 かみれんせん (顎の真下のちょっとへこんだ部分)→顎のたるみ、二重顎

「天容」 てんよう (前頸部、下顎角と同じ高さ、胸鎖乳突筋前方の陥凹部)→たるみ

「天牖」 てんゆう (前頸部、下顎角と同じ高さ、胸鎖乳突筋後方の陥凹部)→たるみ

「天窓」 てんそう (喉頭隆起と同じ高さで胸鎖乳突筋の後縁にとる) →首のたるみ

「扶突」 ふとつ (前頸部、喉頭隆起上縁と同じ高さ、胸鎖乳突筋の前縁と後縁の間(中央))

これらのツボは、顔を横に向け胸鎖乳突筋を浮き出させた状態で、中指で軽く押します。胸鎖乳突筋近くのツボは刺激が強いので長押しは避けてください。3~5秒押しを繰り返してください。

 

リフトアップ

右図「頭維」 ずい (額角髪際から指1本弱入ったところ)

「率谷」 そっこく (耳尖の直上、指2本)

僅か前方に陥みがあります。

3. 次に手を使った療法です。

肌の新陳代謝を活発化し、肌の老化を防ぎます

右図「関衝」 (第四指尺側爪体の角を去ること一分(2mm弱)にとる)→肌を滑らかにする

「陽池」 (腕関節背面中央で総指伸筋腱と小指伸筋腱の陥中にとる)→肌荒れ早期改善

「養老」 (指で尺側茎状突起の頂点を押さえて手掌を回外すると指が滑り込む骨の割れ目)→肌荒れ、小じわ

肌の新陳代謝を活発化するツボです。割れ目のようなくぼみとなっているため、爪を使ったほうが効果的です。

 

口や鼻の周りに吹き出物が出てくる、皮脂が浮いてくるなどの肌荒れの改善に有効です。東洋医学ではこの状況を湿熱と言います。 

右図「合谷」 (手背、第二中手骨中点の橈側のくぼみ)  

やや人差し指側、探ってみると細い筋があります。胃腸の調子が悪い影響による肌荒れの改善に有効です。

右図「曲池」(肘を十分屈曲して、肘窩横紋外端の陥凹部)

初めは弱く、次第に強く外向きに、ひびきの感覚が拡散するように押します。

 

 

ホルモンバランスを整えます

右図「腎穴」 (手掌側で小指の指先側、第一関節の横しわ中央)

爪でゆっくり押し、戻します。ホルモンバランスを整え、シミを薄くします。

ヘルペス性口内炎等の症状が出た場合に有効です。

右図「口内点」 (手のひらの中指付け根)

常時刺激を与えるためにピップエレキバンを貼ります。少しでも異常を感じたら、すぐ貼ることがコツです。磁石は繰り返し使えますから、100円ショップでマグネット用シールを購入すれば、安上がりです。

右図「少商」(拇指橈側爪体の角を去ること2mm弱)

効用は「口内点」と同じです。ときどき爪で刺激をします。

4. おなかのツボを使った療法です。

化膿性の湿疹によく効きます

右図「曲骨」 (下腹部、前正中線上、恥骨結合上縁)

「横骨」 (曲骨の隣)

さらに「横骨」の隣も押します。

「気衝」 (鼠径部、恥骨結合上縁と同じ高さで、前正中線の外方指3本)

曲骨の外方指3本になります。

 

5. 耳ツボを使った療法です。

右図「内分泌」 (耳の穴の下にある切れ込みの内側の底)→シミ、そばかす

ホルモンバランスを取ります小さな平らな丘になっているところで、人差し指と親指ではさんで押します。

「副腎」 (耳穴の前にある膨らみ部分(耳珠)のすぐ下、目安として耳珠の頂点が一つの方は耳珠の下1/3、頂点が2つある方は下の方の頂点上にとる)

「腎上腺」とも言います。このツボの効果は副腎ホルモンの調整です。一部内側に入りますので、少し痛いですが、爪で挟むように押さえます。

「上肺」、「下肺(かはい)」(耳甲介腔(耳の穴につながる大きなくぼみ)の中央の上下)

このツボは 新陳代謝、血行、排泄を促進し、ダイエットのほか、風邪、便秘、肌のかゆみ等への幅広い効果があります。爪で押します。

「上肺」、「下肺」、「副腎」、「内分泌」を刺激する場合、次の方法が簡単で気持ちよくでき、お勧めです。耳甲介腔の中央や耳孔に中指の先端を当て、親指を耳の後ろから挟むようにして軽くもみ、「副腎」や「内分泌」を越したあたりで軽擦しながら下の方にほんの少し引っ張ります。

   

6. 東洋医学では肺は皮膚をつかさどるとしています。肌が乾燥しやすい方には次の反射区がお勧めです。

右図「上部リンパゾーン」 (足裏、足の甲の各々の趾間の根元にある丸いゾーン)

八風と呼ばれるツボでもあります。親指と人差し指で足の甲、裏を挟むように押しこんでください。

さらに丸いゾーンから足首に向かって各指の中足骨間(右図縦の線)を押し揉み、次に中足骨のエリア全体(右図斜線、肺の反射区)を揉捏します。

7. 次のツボも欠かせません。女性には基本のツボです。 

右図「湧泉」 (足の五本の指を内側に曲げた時にできる凹んだところ)

副腎ゾーン」 (「湧泉」の真下)

女性は閉経後、特に「副腎ゾーン」は大事です。

右図「三陰交」 (内踝の直上指4本、脛骨の後縁)

足首から脛骨に沿ってこきあげ、すこしくぼんでいるところにとります。

血海」(大腿骨内側膝蓋骨内上角の上方指3本)

 

 

8. 表情筋のトレーニング

①表情筋のトレーニングは、たるみを改善するために有効な手段です。トレーニングの方法はいろいろあると思いますが、資生堂の「フェースマッスルプログラム」を薦めます。

 

②もうひとつお勧めなのは、福岡のみらいクリニック院長で内科医・東洋医学会漢方専門医の今井一彰先生が提唱する口呼吸を鼻呼吸に改善していく口の体操「あいうべ体操」です。簡単ですが、いろいろな動作が含まれています。

先生のサイトでは次のように説明しています。

(1) 「あー」と口を大きく開く

(2) 「いー」と口を大きく横に広げる

(3) 「うー」と口を強く前に突き出す

(4) 「ベー」と舌を突き出して下に伸ばす

(1)~(4)を1セットとし、1日30セットを目安に毎日続けます。

 

9. 次は、中国に古くから伝わるシワが増えることを防止する気功法です。「浴面生華」といいます。

①手のひらをこすり合わせ、温めます。

②両手のひらを左右の頬に当て、顔の内側から外側へ、手のひらでゆっくり力を入れず楕円状になでていきます。顔に温かみが出てきたら終わりです。古書には18~36回とあります。一日2セット行います。