夏を乗り切る

東洋医学の五行思想から、「木」、「火」、「土」、「金」、「水」の五つの分類に、季節としてそれぞれ「春」、「夏」、「長夏(梅雨(、秋雨))」、「秋」、「冬」を対応させています。「夏」は「火」のエネルギーが大きくなり、生長繁茂の季節です。また、五臓としてそれぞれ「肝」、「心」、「脾」、「肺」、「腎」を対応させています。梅雨から夏にかけては「心」の気、「脾」の気が盛んな時です。そして、それぞれ「風」、「暑」、「湿」、「燥」、「寒」の五気を対応させています。梅雨から夏にかけては、時として暑邪が熱をため込み、湿邪が体内の気を滞らせます夏を乗り切るためには、「暑」、「湿」をコントロールすることがポイントです。ツボ療法としては「心」、「脾」に焦点を絞り、ツボや反射区を選んでいきます。

 

1. 元気が出る「王者」格のツボです。

湧泉」 (五指を屈し足底中央の最もくぼんだところ)

副腎」 (湧泉の下のエリア)

腎臓」 (第二、第三中足骨の近位端でリスフラン関節線の上)

右図「足三里」 (膝の外側直下の小さなくぼみから指4本分下) 

右図「三陰交」 (内踝の直上指4本、脛骨の後縁) 

2. 「暑」に対応します。

脈管系をつかさどる心包経という経絡(ツボの経路)のツボです。

右図「郄門」げきもん (腕関節掌側横紋の正中から肘に向け指5本)

内関」 (腕関節掌側横紋の正中から肘に向け指2本)

右図「心臓ゾーン」 (左足の裏での中指と薬指のまたから3~4cm踵より) 

左足のみです。

3. 夏は冷房に要注意です。自律神経を乱し、体のだるさ、内臓の不調、免疫力の低下を引き起こします。そのための自律神経のバランスを整える万能のツボです。

自律神経のバランスを改善するとともに、肌をきれいにする、口内炎を治す、血圧を下げる、動悸を抑える等いろいろな効果があります。各指の爪の生え際(爪の角から2mm弱)の6か所です。右図「少商」、「商陽」、「中衝」、「関衝」、「少衝」、「少沢」

内側から「内」、「内」、「内」、「外」、「内」、「外」と覚えるとよいと思います。ツボは図の○印に位置し、赤線のところを片方の親指の爪でチクチクと3~5回ぐらい押します。一日何セット押しても結構です。痛いところを押すことがコツです。

 

4. 足の反射区を使って胃腸を整えます

右図「胃・膵臓・十二指腸ゾーン」 (土踏まずの上、親指の付け根の下のふくらみ(拇指球)の下部)

右図「大腸ゾーン」への押圧です。1から5のラインです。2と3のラインはリスフラン関節の少し下方(但し、第四中足骨基底部では同関節の上方)、5のラインは内髁と外髁を結んだ線になります。指圧棒または歯ブラシの柄の先でも結構です。右足から左足での数字の順番に押してください。次に、左右均等に抑え、抵抗または痛みがあるところを探します。その箇所に重点的に圧を掛け、抵抗が和らぐまでほぐしていきます。あわせて「大腸ゾーン」に囲まれている「小腸ゾーン」(土踏まずのリスフラン関節より踵側)も押圧してください。腸は人の体の中で最大の免疫器官でもあり、第二の脳と言われています。「小腸ゾーン」は斜線部分です。