体幹の養生

体幹の意味ですが、一般的には広い意味では胴体のことを指し、狭い意味では「横隔膜」、「腹横筋」、「多裂筋」、「骨盤底筋群」を指します。後者はインナーユニットとも呼ばれています。

本ページは、この4つの筋肉を含め、背骨を中心とした体幹の養生法です。ゆがみの是正、リラックス、コリを取ること、筋肉の強化を目的としています。

 

1. 中国に古くから伝わる気功法「スワイショウ(甩手)」がお勧めです。自律神経を整えます。4つの方法があります。それぞれの方法につき1分、合計4分です。

①前後に腕を振る方法です。

・足を肩幅ぐらいに広げて立ちます。その際、つま先は広げず、正面を向けます。

・両手を前後に腕や肩の力は抜いて振ります。前に上がった時は胸の高さぐらいまで、後ろは前に持ち上げられた腕の重力の反動に任せます。

 

横に腕を振る方法です。

・足を肩幅ぐらいに広げて立ちます。その際、つま先は広げず、正面を向けます。

・両手を横に、腕や肩の力を抜いて振ります。

 

③左右の肩の線や上腹部を横にねじります。できるだけウエストのひねりは抑え、胸部や上腹部を横に向けることを意識します。これが次項のでんでん太鼓のようなねじりとの大きな違いです。

・腕は横に振りますが、体の前、後に振り分けます。

・足を肩幅ぐらいに広げて立ちます。その際、つま先は広げず、正面を向けます。

・両手は肩の位置に横に伸ばしておきます。どちらでも良いですが、仮に右腕を体の前でふるとしたらとしたら、左手は体の後ろ側にふります。同時に胸部や上腹部を左横に向けます。

・次に両手は肩の位置に横に伸ばす姿勢に戻します。今度は左腕を体の前でふり、右手は体の後ろ側にふります。同時に胸部や上腹部を右横に向けます。

・これを繰り返します。

 

④でんでん太鼓のように、ねじりを入れ回転します。ウエスト及び下腹部を横に向けることを意識します。

・立った姿勢で、足を肩幅ぐらいに広げて立ちます。その際、つま先は広げず、正面を向けます。

・腕の力を抜いて、腕を垂らしたまま、頭頂から背骨、尾骨の縦の線を軸にして、ウエストをひねって回転運動をします。ウエスト、下腹部を横に向けます。足の床への接着面はそのままです。

・腕と肩の力を十分に抜き、腕は体に巻きつくようにまかせる感じです。勢いをつけて回さないでください。

・首もあわせて回しますが、めまい防止のため回しすぎないでください。

・首は正面を向いたまま、回さない方法もあります。片頭痛の予防の場合は、顔は正面を向いたまま、首を回しません。これは重要なポイントです。

・猫背で首が前に出る姿勢の方は首を前向きに固定したまま、腰をひねる方法を勧めます。

・左右に巻きつくとき口からふっと息を吐きます。吸うときは自然に任せます。但し、無理をする必要はありません。自然に任せてください。 

 

 

2. 腹横筋を鍛えます。

いろいろなやり方がありますが、比較的腰に負担がかからないやり方です。

・椅子に浅く腰掛け、上体を後ろに、膝を上に挙げ、腹筋が緊張していることを意識します。膝から下は無理に挙げません。

・すこし前かがみになり、腰はそらさないようにしてください。

・そのまま、5~10秒キープします。

・これを5~10回繰り返します。

 

3. 骨盤底筋、大転筋、中臀筋を鍛えます。

・下腹部の内臓下垂、尿失禁(尿漏れ)にも効果があります。

・仰向けになり、膝を90度に曲げます。

・軽く足を広げて膝を立てたまま、お尻を上げます。足裏同士を合わせる方法もあります。より強度が増します。膝から肩までを一直線にします。そしてその状態を数秒キープします。

・コツは腰を上に突き出さないこと、踵を手前に引っ張るような感覚でいることです。

・骨盤底筋が弱まっている状態だと、腹圧がかかり支えきれません。その場合はこの運動は止めてください

 

4. 足の反射区を使った脊椎及びその周辺部への対応です。

右図「頸椎」 (足裏の親指の基節骨の内側) 

「胸椎」 (親指の中足骨内側のアーチ部分)

「腰椎」 (第一楔状骨から舟状骨までのアーチ部分)

「胸椎」、「腰椎」のアーチ部分のみならず、土踏まず部分も押し揉んでください。

「仙骨」 (舟状骨のはしから距骨にかけてのアーチ部分)

右図「頸・項部」 (親指の基節全体)

足の親指の根元を手の親指と人差し指で挟むようにして揉んでください。

 

5. 背中の膀胱経という経絡には、五臓六腑(正確には六臓六腑)の状況を診るまたは治す重要なツボが並んでいます。全てを自分では押せないのでご家族や他の方に押してもらってください。個々のツボは「背中のツボ図解」ページを参照してください。