肺炎予防

肺炎[注参照]になりやすい人のための免疫力向上を狙ったツボ療法です。

 

[注]本ページでは細菌性肺炎が対象です。

 

肺炎になりやすい人は、東洋医学的からみると「肺」の虚だけでなく、「脾」、「腎」の虚も関係していると考えます。よって、次の観点からこの体質改善を狙います。

 

「肺」の虚を補う特効穴を使う

肩甲骨まわりの滞りをとり、且つ前かがみになる姿勢を改善する

末端のツボを刺激し、血流を改善する

「脾」、「腎」の虚を補う

 

留意点です。

「脾」の虚の改善にために、偏らない食事の改善に努めてください。からだを温める食材を食べるようにしてください。但し、刺激物(からし等)の取り過ぎは厳禁です。肺を傷めます。

 

1. 足の甲の反射区を使って、肺の免疫力を強化します。

①肺を養生し、後天の気(呼吸による気(空気)を十分に養い、代謝を促進します。この手法だけでも風邪を引きやすくなる体質が改善されます。必須の手法です。

右図「肺ゾーン」 (足の甲の足背、足底の第一中足骨から第五中足骨までの骨間)

②もし、胸に痛みがあるときは、足の甲にも縮尺して投影します。左の胸の状況は左足の甲に投影します。右の胸は右足の甲です。その投影している痛みの箇所を調べ、そこを丹念に押圧します。ドクターの診察、治療は必須です。

2. 「肺」の虚を補い、肩甲骨まわりの滞りをとり、且つ前かがみになる姿勢を改善します。

首のコリを取ります。 (次項の図を参照してください)

「風府」 (外後頭隆起下方(指二本弱)の陥中)

「風池」と同じ高さになります。

「天柱」 (盆のくぼの中央から指2本外側で僧帽筋腱の外縁陥凹部)

次の左右の「風池」を結んだ線より少し下側に位置します。「風池」を結んだ線には「上天柱」というツボがあり、「天柱」に劣らぬ効用があります。

首を後ろに倒し、首の重みを利用して右側は左手の(左側は右手の)中指で押さえた方が効きます。

「風池」 (僧帽筋腱(僧帽筋の起始部)と胸鎖乳突筋の間の陥凹部、後頭骨の骨際)

体の正中線より指3本弱外側に位置します。

 

②次に背中の上のほうのツボに移ります。

こりがある場合は、そのこりが緩まるまで少し長めに指圧をしてください。

「大杼」 (第一、第二胸椎棘突起間脊柱の傍、指2本)

「風門」 (第二、第三胸椎棘突起間脊柱の傍、指2本)

「肺兪」 (第三、第四胸椎棘突起間脊柱の傍、指2本)

「肺兪」は左右の肩甲棘突起内端を結んだ線上を目安にしてください。

「厥陰兪」けついんゆ (第四、第五胸椎棘突起間脊柱の傍、指2本)

「膏肓」こうこう (第四、第五胸椎棘突起間脊柱の傍、指4本肩甲骨内縁、最も強い響きのあるところ)

「膈兪」かくゆ (第七、第八胸椎棘突起間脊柱の傍、指2本)

「膈兪」は左右の肩甲骨下縁を結んだ線上を目安にしてください。

「気喘」 きぜん (膈兪の外上方の痛み、硬結があるところ)

    

小胸筋、大胸筋のこりを取り、前かがみになる姿勢を改善します。

右図「欠盆」 (乳頭線上(前正中線の外方指5本(鎖骨の中央))で鎖骨上方の陥凹部)

陥凹部の中心を、指を小さめに回して探ってください。 

「気戸」(前胸部、前正中線の外方指5本、鎖骨下縁の陥凹部)

鎖骨の真ん中で鎖骨の下縁にあるくぼみの中の圧痛点に取ります。

「中府」 (鎖骨の外端の下方の陥凹部から指1本半下) 

肋骨に沿って体の奥深く指を入れ込み、ゆっくりと押します。上肢の内側に響きます。

 

3. 末端の血流を改善し、体を温め、免疫力の低下を防ぎます。この項番は日常の養生法として取り入れてください。

①各指の爪の生え際も予防として有効です。特に、親指と人差し指です。 

各指の爪の生え際(爪体の角から2mm弱)の6か所にあるツボです。内側から「少商」、「商陽」、「中衝」、「関衝」、「少衝」、「小沢」という名前がつけられており、総称して井穴と言います。

 

ツボは左側の図の○印に位置し、赤線のところを親指の爪の先端を使って断ち切るように押すか、チクチクと数回押します。一日何回でも押してください。

 

4. 「脾」、「腎」の虚を補います

項番①~③は日常の養生法として取り入れてください。項番④は風邪がなかなか治らない場合に施術してください。

①エネルギーの衰えを防ぎ、先天の気を回復します。且つ、水分、老廃物排出、体脂肪燃焼の手助けをします。

「湧泉」 (足の五本の指を内側に曲げた時にできる凹んだところ)

指の付け根から踵までの長さの指の付け根から1/3のところです。 

「副腎ゾーン」 (次の「腎臓ゾーン」の真上)

「腎臓ゾーン」 (第二、第三中足骨の近位端でリスフラン関節線の上) 

 

②右図「足三里」(膝の外側直下の小さなくぼみから指4本分下 )

ひびく感じがなければ前脛骨筋を上下左右四方の角度から押してみてください。健脚、長寿のツボです。

③右図「三陰交」 (内踝の直上指4本、脛骨の後縁)

脛骨の後縁を足首側から擦上すると少しくぼんだ感触があると思います。血流をアップし、ホルモンバランスを取ります。女性には必須のツボです

④「八宗穴(八総穴)」という経絡をまたがった病症を治す応用範囲の広い八つのツボがあります。その「八宗穴」から「列缺」(肺経)と「照海」(腎経)を使い、「腎虚」、「肺虚」を改善します。

右図 「列缺」(両手の拇指と示指のまたを交差させ、示指の先端が当たるところのくぼみ)

拇指の爪先で切り裂くように差し込み、長押し(20~30秒ぐらい)することがコツです。

 

「照海」 (内踝の直下の陥中)

内踝の直下、指幅半分または指1本強と二つ説がありますが、割れ目を狙い、圧痛点を探ります。親指で上向きに押します。

ピップエレキバンを使い、針灸治療の「奇経治療」を応用する方法もお勧めです。 

この二つのツボにピップエレキバンを貼りますが、磁石の向きに考慮が必要です。

「列缺」にN極、「照海」にS極を貼ります。N極を貼るというのは新規に購入したときに貼りついている磁石の方向で貼るということです。S極を貼るということは新規に購入したときに貼りついている磁石を裏返して貼りかえます。