ヘバーデン結節、ブシャール結節

ヘバーデン結節は手の指の第一関節(DIP関節)、ブシャール結節(PIP関節)は第二関節が変形し曲がってしまう原因不明の疾患です。この結節を東洋医学的にみれば、加齢とともに、冷えを伴った腎虚、血虚と考えます。ツボ療法としては、まず対処療法として手の血行を良くし痛みを取ります。次に腎を補強し、全身の血行を良くする対処をします。なお、第二関節の場合は、リウマチの可能性の見極めも必要ですから専門医の診察は必須です。

 

1. まず手のツボからです。①、②がお勧めです。この手のツボで痛みの症状は改善されるはずです

①手の冷えに対するツボです。

右図「指間穴」(手の甲側の指の股)

「八邪」とも言います。

指の股をあいている手の拇指と示指でつまみ、押し込んでください。

②次の手法もお勧めです。

富永ペインクリニックの富永喜代先生が推奨している手法です。

罹患している手指の第一関節、第二関節(ブシャール結節の場合)の横じわのわきを爪を立て少し痛いと感じるぐらいの強さ10秒間押します

 

(参考文献)

・富永喜代(2018)『手のしびれ・指の痛みが一瞬で取れる本』青春出版社.

③各指の爪の生え際(爪体の角から2mm弱)の6か所です。

右図「少商」、「商陽」、「中衝」、「関衝」、「少衝」、「少沢」

内側から「内」、「内」、「内」、「外」、「内」、「外」と覚えるとよいと思います。これらのツボは井穴と呼ばれ、急性の熱疾患や急を要する病態、精神疾患に良いと言われていますが、ここではからだ全体の冷えを取っていきます。福田稔先生が提唱している「爪もみ療法」も有効です。

 

④このツボもお勧めです。

右図「十宣」 (手の指の最先端)

毎日、痛い指の先端に台座灸をします。壮数は熱くなるまで重ねます。痛みは2週間で少しずつ取れていきます。時折何かの拍子に痛みが出ることがあります。長期間の施灸をお願いします。

良くなってくると1壮目から熱くなります。その場合は良くなってきているサインです。また痛みが出るまでお灸を休止してください。

 

2. 腎を補強し、全身の血行を良くするツボです。

①右図「湧泉」(足の五指を屈し足底中央の最も隅なるところ)

中国では足の中心線で、指の付け根から踵までの長さの指の付け根から1/3のところにとりますが、ここでは少し上のくぼんだところとします。

「副腎ゾーン」 (「湧泉」の真下)

「腎臓ゾーン」 (第二、第三中足骨の近位端でリスフラン関節線の上)

 

②右図「三陰交」 (内踝の直上指4本、脛骨の後縁)

「血海」 けっかい (大腿骨内側膝蓋骨内上角の上方指3本)