むくみ

最初に水の代謝を促進するツボ、次に血液の循環を良くするツボ、最後に筋肉を補強するツボという順に紹介します。特に下半身のむくみを改善します。

 

片足だけのむくみの場合、特に症状がひどくなったり、痛みを伴う場合や皮膚の表面が赤い場合は、深部静脈血栓症(エコノミー症候群)等の病気がないかどうか医者の診断を受けてください。

 

1. まず、水分代謝を促進する狙いで右図の足裏のツボを押します。

湧泉」 (五指を屈し足底中央の最も隅なるところ)

副腎ゾーン」 (「湧泉」の真下) 

腎臓」 (第二、第三中足骨の近位端でリスフラン関節線の上)

足心」 (足の真ん中、腎臓ゾーンの下)

「湧泉」、「腎臓」、「足心」は強めに押しこんでください。

失眠」 しつみん (踵の中央部)

「失眠」はこぶしでたたきます。お灸もお勧めです。熱くなるまで壮数を重ねます。むくみ、不眠症、骨粗鬆症等幅広い効能のある名穴です。

 

心臓に持病のある方は左足に緊張があるはずです。

左足の「心臓ゾーン」(左足の中指と薬指の間からかかとの方へ3~4センチほどの位置)を押します。なお、「心臓ゾーン」は左足のみです。

 

2. 血液循環も良くしていきます冷え症の治療法で紹介した「照海」、「三陰交」、「陰陵泉」、「血海」が有効です。

右図「照海」 (内踝の直下の陥中)

内踝の直下、指幅半分または指1本強と二つ説がありますが、割れ目を狙い圧痛点を探ります。親指で上向きに押します。

「三陰交」 (内踝の直上指4本、脛骨の後縁)   

陰陵泉」 (脛骨内側踝の下縁の陥中)

脛骨内側を膝に向かって擦上し、骨の湾曲部に至って止まるところにとります。下半身の水分の滞留を除く名穴です。

「血海」けっかい (大腿骨内側膝蓋骨内上角の上方指3本) 

 

足の脛側にむくみが生じ、少し痛みがある場合は「豊隆」が有効です。

右図「豊隆」(膝蓋骨(ひざのお皿)の下縁と外踝の間を16等分した中央の高さで前脛骨筋(すねの外側に盛り上がる筋肉)の外縁)

膝蓋骨の下縁と外踝の間に手を広げ、中央を探ってください。足三里から指4+3本下を目安にしても結構です。足三里から足首の中央へ垂直におろした線よりも指1本外側になります。前脛骨筋は足を背屈した方が分かりやすいと思います。「水出しのツボ」、「去痰のツボ」と呼ばれています。

 

3. むくみに加え、トイレに行く回数も極端に少なくなったという症状に対しての対処です。

右図「湧泉」(五指を屈し足底中央の最もくぼんだところ)

「副腎」の反射区  (湧泉の下のエリア)

最もお勧めです。

「腎臓」の反射区 (副腎の下のエリア、第二、第三中足骨の近位端でリスフラン関節線の上)   

「輸尿管」の反射区 (「腎臓」、「膀胱」を結んだ線)

「膀胱」の反射区 (内踝の下、土踏まずのアーチ状の(踵骨、船状骨、第一楔状骨にまたがる)エリア)

 

4. 次に体全体の水分の代謝を促進するツボを押します。

右図「水分」 (臍の上、親指の幅で1本)

右図「百会」 (頭部正中線と左右の耳尖を結んだ線の交叉部)

双方とも水分代謝では有名なツボです。

5. そして胃腸機能を高めるツボを押し、筋肉を補強します

水分の代謝に筋肉、特に下半身の筋肉は第2のポンプと言われ、その補強は必須です。その意味で日常的な有酸素運動、筋肉トレーニングは欠かせません。

右図「足三里」 (脛骨突起の下際と腓骨小頭の下際とを結び、脛骨側から3分の1)

右図「中脘」 ちゅうかん (胸骨体下端(肋骨弓が交差する部位)から臍までの線の中央)

臍の中心から真上に指4本+1本のところに圧痛を探る方法が分かりやすいと思います。