スマホを長時間同じ姿勢で見続けることにより身体にいろいろな弊害が出てきます。左脇~胸の痛みもそのひとつです。「押すと痛い」、「散発的にジクジクと痛む」といった症状です。スマホの支え手として左を挙げたまま固定していることによるものと考えられます。その治し方です。
1. 「押すと痛い」という症状の場合の治し方です。簡単なストレッチですが、痛みが弱まってきます。
立った姿勢で腕は下ろしておきます。
まず、肩を後屈します。肩を後屈したまま、腕を挙げていきます。肘を伸ばしたまま、両手が重なるまで腕を挙げていきます。痛みがある場合はそこで止めます。そして、肩を後屈したまま下げます。この動作を10~15回繰り返します。腕を挙げるとき、鼻から息を吸います。下げるとき、鼻から息を吐きます。肩を後屈したまま動かすのがポイントです。
軽い場合はこのストレッチだけで治ります。
2. 「散発的にジクジクと痛む」という症状の場合の治し方です。
①大胸筋、小胸筋、肋間筋を直接養生します。
各肋骨の間に指をゆっくりと深く入れ込み、その後筋肉をはがすように引きます。内側(身体の正中)から外側に向かって少しずつ肋間を移動していきます。一日数回行います。小胸筋が硬くなると腕神経叢を圧迫します。
②痛みが発症して、1~2日経った後、痛みのある箇所に使い捨てカイロを貼ります。
《豆知識》
アンデシュ・ハンセン先生の著書『スマホ脳』より
・ 脳はパソコンやスマホが運んでくる、新しい知識や情報をほしがる。パソコンやスマホのページをめくるごとに、脳がドーパミンを放出する。
・ みんながスマホに夢中なのはドーパミンがたくさん出るからである。
・ 「大事かもしれない」、「ちょっと見てみるだけ」、「『いいね』がついたかも」 起きている間中、10分おきに。
・ スマホには、人間の注意を引きつけるものすごい威力がある。ポケットにしまうぐらいでは抑えきれない。ポケットに入っているだけで集中力が阻害される。
・ サイレントモードでもスマホは私たちの邪魔をする。
・ (画面上のテキスト上に)リンクがあるだけで気が散る。
・ スマホが目の前にあると、会話がつまらなくなってしまう。相手への信用や共感を得にくいと感じるようになる。周囲に無関心になる。
・ 毎日何千という小さなドーパミン報酬を与えてくれる物体が目の前にあれば、脳はそっちに気を引かれる。
(豆知識の参考文献)
アンデシュ・ハンセン(2020) 『スマホ脳』 久山葉子/訳 新潮社.