リンパを流す(経絡を使う)

本ページは全身を流れている経絡の内、12の経絡(十二経脈)の手先~肘関節、足先~膝関節の経路に沿ってマッサージを行い、リンパのみならず、気、血の流れを改善する手法です。この場所は臨床において幅広く使われるツボが並んでいます。 

 

経絡」は、「陰陽」、「五行」、「臓腑」、「営衛気血」とともに東洋医学の理論の基礎をなすものです。経絡は体を縦に連絡する経脈と、体を横あるいは経脈間を連絡する絡脈から構成され、その役割は、「気、血の運行」、「陰陽の調整」、「防御作用」等があるとされています。生命を生かしているエネルギーが流れる経路と解釈してください。

 

1. 次のような効果や症状の改善を狙います。ご年配の方や体が弱っている方に喜ばれる手法です。ご家族や他の人に施術することでより効果が増します。

・肺経……風邪気味の症状、皮膚の免疫力アップ、悲しみを癒やす

・心包経…不整脈、動悸、内から来るストレス

・心経……精神的な不安定→落ち着きを取り戻す

・大腸経…下痢、便秘、大腸の不調による湿疹予防、腱鞘炎

・三焦経…外から来るストレス

・小腸経…免疫力アップ、肘痛、肩甲骨上のこり

・胃経……消化器系の不調、下肢疲労

・胆経……めまい防止、筋肉の損傷/疲労、座骨神経痛

・膀胱経…下肢倦怠、血流改善、座骨神経痛、臓腑の調整

・肝経……イライラ防止、怒りを抑える、めまい防止、目や筋肉、爪にでる症状の改善

・脾経……冷え症、血流改善、ホルモンバランス、むくみ、必要以上に思い悩む、くよくよする、結論が出ないことにあれこれ考える

・腎経……「老い」のバロメータ、疲労回復(心身共に)、生命エネルギーを取り戻す、歯や骨、髪、耳などにでる症状の改善

 

2. マッサージをする上での留意点です。

・マッサージをする場所は、以下の説明で図示します。青色で示したエリア全体をマッサージします。実際の経路も図示しますので参考にしてください。

なお、手の外側とは直立不動(気をつけ)の姿勢を取ったときの手甲側の面、手の内側とは直立不動(気をつけ)の姿勢を取ったときの手掌側の面です。

・各経絡には該当の経絡の異常の有無がよくあらわれる「原穴」という重要なツボが手関節、足関節上にあります。そのツボも図示しまので押して感触を確かめましょう。

・図示された場所を軽擦(さする)後、揉捏(もむ)、圧迫をしてください。タッピングを加えても結構です。両側を行います。

・少し強めの刺激としては、一旦押してそのまま力をキープして経絡の線上を押したまま2cmぐらいずらします。

・軽擦、揉捏の速度は4~5cm/秒を目安としてください。気持ちが落ち着きます。

・手掌、手背の中手骨間、足背の中足骨間は親指の第一関節の屈伸で刺激を与えていくサムウォーキングという手法(「指圧の方法」参照)がお勧めです。

・拇指球、小指球への刺激はもう片方の手の拇指球を使います。

・前腕、上腕の内側の橈側(親指側)、尺側(小指側)、腓腹筋(ふくらはぎ)は把握するだけでも結構です。

・タッピングは、拳打法(こぶしでたたく)、拍打法(手をおわん型にして空気を含ませるようにしポコポコとたたく)、指頭巧打法(指の関節を曲げ、指の腹で叩く)等、どの方法でも結構です。いずれの方法も関節の力を抜きます。

・ここはツボだという感覚があった箇所は、指を立ててゆっくり押し込んでください。5秒間そのまま同じ圧でキープします。そして、ゆっくり5秒ぐらいかけて緩めます。ツボだという感覚は自分のからだと会話をしていくとわかってきます。

 

3. 手の経絡です。

①まず手の内側です。

橈側(親指側)、正中線、尺側(小指側)にそれぞれ肺経、心包経、心経という経絡が走っています。手掌から肘関節までをマッサージします。

②次は手の外側です。橈側(親指側)、正中線、尺側(小指側)にそれぞれ大腸経、三焦経、小腸経という経絡が走っています。手掌から肘関節までをマッサージします。

③手の経絡の原穴の場所です。

「太淵」(橈骨の手根関節の掌側腕横紋の外縁、陷中)

「大陵」 (腕関節掌側横紋の正中にとる、多少橈側)

「神門」 (腕横紋上で尺側手根屈筋腱の橈側縁)

「合谷」 (手背、第二中手骨中点の橈側) 

「陽池」 (腕関節背面中央で総指伸筋腱と小指伸筋腱の陥中にとる)

「腕骨」 (手関節後内側、第五中手骨底部と三角骨の間の陥凹部、赤白肉際)

第五中手骨の外縁に沿い、圧上して盛り上がりをこえたところに取ります。

 

原穴以外のツボを意識して施術する方法は「リンパを流す(部位別_手)」を参照してください。

 

4. 足の経絡です。

①足背(足の甲)と側面です。

側面は踵部分も丹念に揉んで下さい。

②足の経絡の原穴の場所です。

「太白」 (足内側、第一中足指節関節の近位陥凹部、赤白肉際) 

「太衝」 (第一、第二中足間を圧上して指の止まるところ)

「太渓」(内踝の後方、アキレス腱の前のくぼみ)

「丘墟」 (第四、第五中足間を圧上して外踝の前で指の止まるところ。外踝の前下端、最も陥凹するところ)

「京骨」 (足外側、第五中足骨粗面の遠位、赤白肉際)

「衝陽」 (足背、第二中足骨基底部のすぐ後で、中間楔状骨との間の陥凹部、かつ足背動脈拍動部)

 

③次は踝と膝関節の間を経絡に沿ってマッサージまたは揉捏していきます。それぞれの部位には次のような経絡が走っています。

・足/外側/前面…胃経

 揉捏の要領は次の通りです。

 -足/外側/前面に縦の2本の線をイメージしてください。

 -指の腹または先端で、線上を円を描くようにまたは

  縦・横・斜め方向にスライドして押圧していきます。

  同じ圧を維持してスライドします。どの指でも結構です。

 -圧は痛気持ちよい程度です。

・足/外側/側面…胆経

 揉捏の要領は胃経と同じです。

・足/外側→後面…膀胱経

   膀胱経の揉捏の要領は次の通りです。

 -膝窩(膝裏のくぼみ)には重要なツボがあります。

  膝窩の内側、中央、外側を押圧します。

 -次にふくらはぎの真ん中の縦線を揉捏します。 

  揉捏の要領は胃経と同じです。

 -次にアキレス腱を親指と人差し指で挟んで

  しっかり押圧します。

・足/内側/側面…肝経(肝経、脾経、腎経は途中(三陰交)で交叉しています)

・足/内側/側面…脾経

・足/内側/側面…腎経

 肝経、脾経、腎経の揉捏の要領は次の通りです。

 -アキレス腱と脛骨の間、脛骨の際、脛骨上の

  3本の線をイメージしてください。

 -この縦の3本の線上を揉捏してください。

  揉捏の要領は胃経と同じです。

  但し、脛骨の際は痛いところなので手加減してください。