リンパを流す(部位別_手)

本ページでは「リンパを流す(部位別)」の、特に手、腕のツボを意識して施術する方法を紹介します。ご両親、知人、ご年配の方向けにお勧めです。

 

1. 手の各指を根元から先端まで、人差し指と親指で、または拇指球と小指球で挟みながら斜めの方向に押し揉みます。冷えの改善、糖尿病改善及び合併症予防、認知症予防、めまい予防、弾発指の症状緩和等を狙います。

・手の冷えは人差し指及び薬指を、足の冷えは親指及び小指を揉みます。

・認知症の予防、めまい予防は特に中指の先端を押し揉むか、片方の手の爪でチクチクと刺激をします。 

 

2. 指の股をあいている手の拇指と示指でつまみ、押し込んでください。手の冷えに有効です。

右図「指間穴」(手の甲側の指の股)

 

 

3. 手の内側の橈側(親指側)、正中線、尺側(小指側)にそれぞれ肺経、心包経、心経という経絡(ツボの経路)が走っています。その経絡を手掌、前腕から上腕にかけて軽擦、揉捏してください。軽擦、揉捏の速度は4~5cm/秒を目安としてください。気持ちが落ち着きます。

・ツボに対しては親指の第一関節の屈伸で刺激を与えていくサムウォーキングという手法(「指圧の方法」参照)がお勧めです。主に拇指球を使って把握するだけでも結構です。 

 

4. 次は手の外側です。橈側(親指側)、正中線、尺側(小指側)にそれぞれ大腸経、三焦経、小腸経という経絡(ツボの流れ)が走っています。手当の方法は上記と同様です。

 

5. それぞれの部位を揉捏する際、意識する主要なツボです。ツボの効果も狙います。

まず、手の内側の正中線(心包経)です。

①気持ちを落ち着かせます。

右図「労宮」(中指、薬指を折り曲げて双方の先端の当たるところの中間)

中指、薬指双方の先端の中間ではなく、中指の先端という説もありますが、ここでは中間とします。手のひらの中心は「手心」と呼ばれるゾーンで、「労宮」のまわりも含めてゆっくり押してください。気持ちも落ち着きます。次項の「内関」もあわせるとより有効です。

 

②不整脈等、循環器系に有効です。手根管症候群にも有効です。

右図「大陵」 (腕関節掌側横紋の正中にとる、多少橈側)

「内関」 (腕関節掌側横紋の正中から肘に向け指2本)

自律神経の安定、不安や動揺の調和、胸部、心窩部の痛みや疾患に効く名穴です。

「間使」 (腕関節掌側横紋の正中から肘に向け指4本)

腕をそらして取ります。便秘の必須穴でもあります。

「郄門」(腕関節掌側横紋の正中から肘に向け指5本)

腕関節と肘関節間の中央より、指1本手首側になります。ただし、実際にはこのツボより肘に向けての部位に反応があり、その場合は次の「沢田流郄門」を使います。

「沢田流郄門」 (肘関節正中から腕関節に向け指4本)

上記の「郄門」とどちらか圧痛があるほうを押してください。

「郄門」は心臓疾患のツボとして必須穴と言われています。 

  

6. 手の内側の橈側(親指側、肺経)です。

呼吸器系の調整をします。

「尺沢」(肘関節前面上腕二頭筋腱の外縁)→ 風邪全般の症状改善

「孔最」(尺沢穴の下、指4本)→ 咳への対応 

「列缺」(両手の拇指と次指のまたを交差させ、示指の先端が当たるところのくぼみ) → 頭痛への対応

拇指の爪先で手首方向へ力を入れて押します

「太淵」(橈骨の手根関節の掌側腕横紋の外縁、陷中)→ 風邪による倦怠感の除去

「気海(臍の中心から真下に指2本)」とあわせることで、「気虚」、「肺虚」の改善に効果があります。

 

7. 手の内側の尺側(小指側、心経)です。

①不安、緊張の神経過敏状態をなくします。

右図「神門」 (腕横紋上で尺側手根屈筋腱の橈側)

親指の先を神門に当て次指の付け根のほうに向かって押します。

上記「大陵」との組み合わせが有効です。

8. 手の外側、正中線(主として、三焦経)です。

①首の痛みを和らげます。

右図「頸項点」 (手をグーにして、人差し指と中指の骨の出っ張りの間)

「落枕」 (上記頸項点から約1センチ下がったところ)

寝違いの特効穴です。

「咽頭点」 (手をグーにして、中指と薬指の骨の出っ張りの間)

a (「咽頭点」から約1センチ下がったところ) 

 

②腰の痛みを和らげます。

右図「腰腿点」(片方の手の甲に二つあり、人差し指と中指の間の溝、薬指と小指の間の溝をそれぞれ手首の方に向かってたどり止まるところ)

中手骨という骨が接する手前のくぼみです。場合により、もう少し手首に近いところに圧痛があるときもあります。くぼみを、円を描くように押します。

 

③耳疾患、めまいの重要経穴です。

右図「中渚」(第四、第五の中手指節関節の後ろ陥みの間にある)

 

④風熱(関節の腫れ、痛み、熱感)を除く名穴です。

右図「外関」 (腕関節背側横紋の中心(やや小指側)から上方指2本、橈骨と尺骨の骨陥)

腕関節横紋から指で滑らせていくと皮膚のたるみで指が止まるところです。前腕を回外した状態で押します。

9. 手の外側、橈側(親指側、大腸経)です。

①特に上半身や顔面部のいろいろな症状に有効です。また、身体の不調がどうかのバロメータとなるツボです。

右図「合谷」 (第一、第二中手骨の基底部の前陥凹部、やや人差し指側) 

②腱鞘炎に有効です。

右図「陽谿」(第一指と第二指を伸展して、深い凹窩の生じるところ)

このツボは鎮痛効果があります。コツは円を描くように押しこみながら揉みます。「陽谿」のほんの近くに親指の腱鞘炎に卓効のある「澤田流合谷」(陽谿のやや指側で押される側の手の指は開いておきます。

③上腕部の痛みには欠かせないツボです。

右図上廉」 (腕橈骨筋という前腕外側の大きな筋肉の一番盛り上がったところ)

次の「曲池」から指4本離れたところにあります。手のひらで前腕部を下から支え、親指で押し込みます。

「手の三里」 (次の「曲池」より前腕橈側指3本下)

曲池」 (肘を十分屈曲して、肘窩横紋外端の陥凹部)

肘の骨に向かって押し込みます。口や鼻の周りに吹き出物が出てくる、皮脂が浮いてくるなどの肌荒れの改善にも有名なツボです。

 

10. 手の外側、尺側(小指側、小腸経)です。

①右図「後谿」 (小指尺側第五中手指節関節の後陥中(近位側))

軽く握り、手掌横紋の尺側端になります。頭と首の緊張をほぐし、むちうち症、頭項強痛に有効です。