医者に行く必要がないような痛みや違和感が下腹部にある場合のツボ療法です。
下腹部の「瘀血」か「血虚」により滞っている血流を改善します。
(注1) 瘀血 :血のめぐりが悪い状態
血虚 :血が不足しており、血の働きが衰えている状態
(注2) ビタミン剤を服用している人が、服用を止めたら、下腹部の鈍痛がなくなったという事例があり、念のため、服用している人は一度止めてみて下さい。
1. 消化器系の調子を整えます。
特に腸の調子を整えます。人差し指、中指、薬指の3本の指を揃えて、中指をメインに軽く押さえます。
右図「巨闕」 (胸骨体下端(肋骨弓が交差する部位)から指3本分下)
胸骨体下端は、みぞおち下から上方にさすると出っ張り(剣状突起)があり、その上のくぼみになります。
「中脘」 (胸骨体下端(肋骨弓が交差する部位)から臍までの線の中央)
臍の中心から真上に指4本+1本のところに圧痛を探る方法が分かりやすいと思います。
「期門」
このツボの取り方は二通りありますが、本ページでは後者を取ります。
①第6肋間、前正中線の外方4寸(乳頭中央の下方
WHO(世界保健機関)で定義されている位置で、上記「巨闕」の外方(指5本)
②第9肋軟骨付着部の下縁
旧来定義されていた位置で、乳頭線上(正中線より指幅5本外方)で肋骨下縁(第9肋軟骨付着部にあたる)のやや内側のくぼみにとります。このくぼみはみぞおちから肋骨下縁を探っていくと2番目のくぼみになります。
「天枢」(臍の両傍指2本半~3本)
「大横」 (臍の両傍指3本+3本、乳頭線上(乳首から真下の線))
「大巨」(天枢穴の下指3本)
「気海」 (臍の中心から真下に指2本)
「関元」 (臍の中心から真下に指4本)
正確には臍から恥骨結合上縁を5等分し、上から3/5に取ります。「丹田」とも呼ばれ、泌尿生殖器、婦人科の症候群に効く名穴で、応用範囲の広いツボです。
「水道」 (「関元」より指3本横、「大巨」の下)
「中極」 (「関元」より親指幅1本下)
正確には臍から恥骨結合上縁を5等分し、上から4/5に取ります。「中極」の横も含めて3本の指で押します。
2. 骨盤内の血流を改善します。
①下腹部のツボを使います。
右図「気海」 (臍の中心から真下に指2本)
精神的及び肉体的疲労にも効く名穴です。
「関元」 (臍の中心から真下に指4本)
「子宮」 (恥骨結合上縁中心から上方に親指幅1本さらに指4本横)
子宮下垂、胃下垂にもよく効きます。
「帰来」 (恥骨結合上縁中心から上方に親指幅1本さらに指3本横)
「帰来」は元に帰る、戻るという由来があり、子宮下垂のツボとしても有名です。
②恥骨の上縁のツボを使います。
「曲骨」 (下腹部、前正中線上、恥骨結合上縁)
「横骨」 (曲骨の隣)
さらに「横骨」の隣も押します。
「気衝」 (鼠径部、恥骨結合上縁と同じ高さで、前正中線の外方指3本)
曲骨の外方指3本になります。
③下腹部の任脈のツボを使います。
「曲骨」 (下腹部、前正中線上、恥骨結合上縁)
正確には臍から恥骨結合上縁を5等分し、「陰交」は上から1/5、「石門」はうえから2/5、「関元」は3/5、「中極」は4/5に取ります。
「中極」 (「関元」より親指幅1本下)
「関元」 (臍の中心から真下に指4本)
「石門」 (臍の中心から真下に指3本)
「気海」 (臍の中心から真下に指2本)
「陰交」(臍の下、親指幅1本)