不眠症

不眠症に対し、睡眠導入剤は有効だと思いますが、ここで紹介するツボ療法もなかなかの効果を発揮します。夜中に目が覚めてしまっても、またすぐに眠りに入れます

 

東洋医学的な観点からみると、不眠は「陰陽」のサイクルがくずれ、夜になっても「陰」が盛んでないためととらえています。わかりやすく言うと夜になってもリラックスが完全にできていない状態です。東洋医学は深く眠るためにも気(エネルギー)、陰の気が必要と考えています。

 

ツボ療法としては「不眠」となる原因、特に感情別にそれを五臓である「肝」、「心」、「脾」、「肺」、「腎」に結びつけ、その五臓に関連するツボ、経絡を使って五臓の機能を調整します。

 

「肝」←怒り、抑うつ、イライラ、目の酷使(により不眠となる:()内は以下同じ)

「心」←心痛全般、自律神経の乱れ(「心」は精神/意識思惟活動の根源を司る)

「脾」←思い悩む、途方に暮れる

「肺」←悲しみ

「腎」←恐れ、加齢とともに「腎」の気(生まれもった生命エネルギー)が弱る

 

特に、本ページでは「心」に焦点を絞ります。

 

いくつか留意点です。

・コツは、ツボをやさしく押さえることです。

・中途覚醒の対応については、寝る1時間ぐらい前にツボ押しをします。 

・そのツボが効いているかどうかは、ツボを押したときにあくびが出るかどうかを目安としてください。

・生活習慣として、朝起きたらすぐカーテンを開け、(太陽が照っていなくても)日の光を浴びてください。

 

1. 不眠には定番のツボです。

右図「失眠」(踵の中央)

このツボはげんこつまたは木槌で軽く叩いて刺激をします。中国では「失眠」の位置を足裏の縦の中心線と内・外踝を結ぶ線との交差点としています。踵の中央より前になります。たたく場合は、少し広めに刺激をしたほうがよいと思います。

2. 次に手と耳にある「神門」というツボです。双方とも神経を休めます。

手の「神門」を押すときに「内関」、「労宮」も加えてください。

①右図「神門」 (腕横紋上で尺側手根屈筋腱の橈側(親指側)にとる)

不安(パニック)を取り除き、気持ちを安定させます。片方の手の拇指で皮膚に直角に押し、示指の根元の方向に押しこんで脱力します。そのほうがひびきがあると思います。

 

「内関」 (腕関節掌側横紋の正中から肘に向け指2本)

「労宮」(中指、薬指を折り曲げて双方の先端の当たるところの中間)

中指、薬指双方の先端の中間ではなく、中指の先端という説もありますが、ここでは中間とします。手のひらの中心は「手心」と呼ばれるゾーンで、「労宮」のまわりも含めてゆっくり押してください。気持ちも落ち着きます。

 

②右図の耳の「神門」(耳の上部、三角形をした浅いくぼみの外下方、正確には対輪上脚と対輪下脚によってできる角の上、対輪上脚寄り)

爪で押します。

3. もうひとつ定番の「安眠」というツボです。

①右図「安眠」 (耳たぶのうしろに触れる乳様突起という骨(頭蓋骨の一部の尖ったところ)の後ろ側の少しくぼんだところ、もうひとつ、乳様突起の指1本下)
二か所あります。どちらでも結構です。両方でも結構です。慣れてくると、ご自分に合うツボがわかってきます。乳様突起の後ろ側は、上に突き上げるように、乳様突起の下は、そのまま垂直に押し込みます。

②「安眠」に加え、次の線もやわらかく押してください。盆の窪に指を当て、上の方に指をずらしていくと骨の出っ張り(外後頭隆起)にぶつかります。その外後頭隆起の上の線(1)、下の線(2)を横に中心部から乳様突起までやわらかく押し揉みます。下の線は上45度の方向に押し揉みます。

 

 

 

4. 夜中に起きて、上記の方法でもなかなか眠ることができない場合は、次の方法を勧めます。交感神経の緊張を取ります。

①右図「百会」(左右の耳尖を結んだ線と正中線との交叉部)

髪際から指幅7本上か7本弱(女性は6本上)で少しくぼんでいるところを探ります。脳を活性化し、集中力を高めます。

「四神聡」 (百会の前後左右親指の幅1本)

「神」は精神の意味、「聡」は聡明の意味で、精神状態を落ち着かせることができ、自律神経のバランスが是正され、頭の感じをスッキリさせる効果があるツボです。

 

②次に右図督脈(頭の正中線)、膀胱経(頭の正中線から指二本横)、胆経(前頭部眉毛中央を上がった線及びその外側の線)という経絡(ツボの経路)を人差し指、中指、薬指、小指の腹で押しながら、前髪際指2本下から後ろに少しずつ上がっていきます。コツは四指を少し広げ、頭のくぼみを探り、頭皮に指の腹を押しつけ、前後に揺らします。表面を揺らしますと髪が引っ張られますので注意してください。

特に督脈、前髪際指2本下から前髪際までの線(正中線から外側に向けて額中線、額旁Ⅰ線、額旁Ⅱ線、額旁Ⅲ線)を念入りに押してください。

なお、督脈、頭頂部の膀胱経、胆経の個々のツボの位置については「頭の正中線のツボ図解」ページを参照してください。