低血圧は東洋医学からみると「血虚」、「脾虚」とみます。対処としては血液循環の促進、消化器系の機能促進の観点からツボ、反射区を選びます。
特にお勧めのツボです。
・項番3の「百会」、項番2の「足三里」、項番5の「内関」
または
・項番4の首のツボ、項番1の「三陰交」、「血海」、「肝臓ゾーン」
1. まず、全身の血液循環を促進します。
右図「脳ゾーン」(足の親指腹全体)
手の拇指の腹または示指の横で押し揉みます。力が入らない方は指圧棒で押し込んでください。
「心臓ゾーン」 (左足の中指と薬指の間からかかとの方へ3~4センチほどの位置)
このゾーンは左足のみです
「腹腔神経叢」 (「湧泉」(足の五本の指を内側に曲げた時にできるくぼんだところ)というツボを中心に第一中足骨と第二中足骨の間から、第三中足骨と第四中足骨の間までの範囲)
自律神経を整えます。太陽神経叢ともいいます。特に、親指と人差し指のまたから踵方向に4cm下がったふくらみの稜線上、そして、そこから拇指球の下のくぼみまでの箇所が効きます。
「心包区」 (土踏まずのほぼ中央)
右図「肝臓ゾーン」 (右足裏にあり、第二中足骨より第五中足骨のほとんどをカバー)
このゾーンは右足のみです。東洋医学で言う「肝は血を蔵する」つまり肝に血液を貯え,血量を調節する機能を持つという考え方からこのゾーンを補います。
右図「三陰交」 (内踝の直上指4本、脛骨の後縁)
脛骨の後縁を足首側から擦上すると少しくぼんだ感触があると思います。
「血海」 (大腿骨内側膝蓋骨内上角の上方指3本)
「三陰交」、「血海」は脾虚を補います。
2. 消化器系の機能促進をします。食欲不振に最適です。
右図「胃、膵臓、十二指腸」の反射区 (土踏まずの上、親指の付け根の下のふくらみ(拇指球)の下部)
背中の肩甲骨間の張りを取ることも目的としています。
右図「足三里」(膝の外側直下の小さなくぼみから指4本分下)
3. 下のツボも低血圧には定評があります。頭重、頭痛、倦怠感を改善します。
右図「百会」 (頭部正中線と左右の耳尖を結んだ線の交叉部)
「百会」から「前頂」(「百会」の指2本前)までの線、「頂中線」も押します。
右図「膻中」 (胸骨体の中央、両乳中穴を結び正中線と交わるところ、胸骨の正中で少しくぼんだところで按じて痛むところ、または、左右の脇の下を結んだ線の中点から真下の指4本)
拇指の下のふくらみで、まるく揉みます。または、中指の先で静かに押さえます。
4. 頭の血流を良くします。
右図「風池」 (僧帽筋腱(僧帽筋の起始部)と胸鎖乳突筋の間の陥凹部、後頭骨の骨際)
体の正中線より指3本弱外側に位置します。
「天柱」 (盆のくぼの中央から指2本外側で僧帽筋腱の外縁陥凹部)
左右の「風池」を結んだ線より少し下側に位置します。「風池」を結んだ線には「上天柱」というツボがあり、「天柱」に劣らぬ効用があります。首を後ろに倒し、首の重みを利用して右側は左手の(左側は右手の)中指で押さえた方が効きます。
「健脳」 (風池より指幅1.5本下)
指幅1本下という説もありますが、本サイトでは1.5本下とします。
「百労」 (脊柱の正中第七頸椎棘から指幅3本分上、外側指1.5本)
人によって第七頸椎棘から指幅4本分上が効く場合もあります。
第七頸椎棘という言葉が出てきましたので、ここで説明しておきます。
第七頸椎棘は、首を前に曲げると首と背中の付け根に飛び出る椎骨で、丸く一番大きく見える骨です。棘は椎骨の後端が隆起し、突出したもの (突起)を意味します。第七頸椎は頸椎(首の骨)の一番下で、次の胸椎(背骨)の一番上との違いは首を縦横振ってみると動くのが頸椎、動かないので胸椎です。簡便法として次の方法で判別してください。髪の生え際から指4本下の大きな椎骨です。
5. めまい、立ちくらみ、悪心等に対応するツボです。
右図「中渚」(第四、第五の中手指節関節の後ろ、陥みの間にある)
めまいや立ちくらみに効果があるツボです。すこし強めに押したほうが効果があります。
右図「内関」 (腕関節掌側横紋の正中から肘に向け指2本)
ムカムカ感を無くします。
右図「陽池」 (腕関節背面中央)
朝起きにくいという症状に有効です。
6. さらに「自分でできる運動療法」も必須です。