1. 便秘解消のコツは、水の飲み方と食べ物に注意してください。
・朝食前後にコップ1杯の水(秋から冬にかけては白湯)を飲む習慣をつけてください。
・年配になると水を飲む量が減ってきます。その方に合った水の量を飲んでください。飲み方としては、一気に飲むのではなく、一口ずつ小分けをして飲んでください。
・便通に良い食べ物を試行錯誤しながら、自分に合うものを選んでください。筆者は「もち麦ご飯」、「キウイ」を勧めます。
もち麦はもちもちした食感の大麦で、水溶性食物繊維のβ-グルカンが豊富に含まれており、腸内環境を整え、ダイエット効果も高いとされています。出すぎるかもしれません。
(本項の参考文献)
・松生恒夫(2021)『健康の9割は腸内環境で決まる』PHP研究所.
2. 右図のおなかのツボを押し揉んでください。一番のお勧めです。少なくとも朝起きたときと夜寝るときに寝床で行って下さい。それ以上行った方がより効果があります。
仰向けに寝て膝を立て、おなかの筋肉をゆるませます。
左右の親指と中指及び薬指で二つのツボを基点に右図のエリア(緑色)をシーソーのように交互に100回ぐらい押し揉みます。腸そのものを揉むイメージです。
お腹がへこむメリットも狙います。
「府舎」 (鼠径溝の中央から指1本上方)
「腹哀」 ふくあい (上腹部、臍中央の指4本上方、前正中線の指3+3本外方)
3. 次の方法も有効です。
足裏の「大腸ゾーン」への押圧は慢性的な便秘に欠かせません。強めに指圧棒を使って押し込みます。
「大腸ゾーン」は1から5のラインです。2と3のラインはリスフラン関節の少し下方(但し、第四中足骨基底部では同関節の上方)、5のラインは内髁と外髁を結んだ線になります。
指圧棒で右足から左足への数字の順番に押してください。次に、左右均等に抑え、抵抗または痛みがあるところを探します。その箇所に重点的に圧を掛け、抵抗が和らぐまでほぐしていきます。1のラインの黒丸の部分は「回盲部」(立方骨と踵骨の間)の反射区です。ここも念入りに押し込んでいきます。
あわせて「大腸ゾーン」に囲まれている「小腸ゾーン」(土踏まずのリスフラン関節より踵側)も押圧してください。腸は人の体の中で最大の免疫器官でもあり、第二の脳と言われています。「小腸ゾーン」は斜線部分です。
右図「直腸」(上記5のラインの内側縁から踵骨の内側下部)の反射区も押し込みます。
4. 次に便秘には定評のある手法やツボです。特におなかが張った場合に有効です。どの手法、ツボでも結構です。
①天城流湯治法で有名な杉本錬堂先生の著書から紹介します。よく効きます。
腸骨の縁に(骨の内側に向けて)指を入れ、剥がす(引く)ようにほぐします。
(本項の参考文献)
・杉本錬堂(2017)『天城流湯治法エクササイズ2』ビオ・マガジン.
②右図「沢田流神門」 (手首の小指側の真横、骨と骨の間)
もう一方の手の親指で強めに押します。ピップエレキバンを貼ることも有効です。
③右図「間使」 (腕の内側、腕関節横紋から指4本分離れたところの中央)
腕をそらして取ります。
右図「支溝」 (腕の外側、腕関節から指4本分離れたところの中央)
特に、常習の便秘に効きます。
「間使」、「支溝」双方とも指4本弱(3本強)の場合もあります。もう一方の手の親指と中指で挟むようにして強めに押し便意を催す個所を探してください。
④矢野忠先生がお勧めしているツボです。特効穴として定評があります。
「便秘穴」 (臍の指3本下且つその左指1本横)
「左大巨」 ひだりだいこ (臍の指3本下且つその左指3本横)
左側だけにあります
(本項の参考文献)
・矢野忠(1999)『女性のための東洋医学入門-自分でできるツボ療法 増補新版』日中出版.
5. トイレ内で出そうでなかなか出ない場合の対処法です。
便座に座った姿勢で仙骨の正中線から2~3cm離れたところを縦にマッサージします。ガスがたまったときも有効です。
但し、5分経っても出ない場合はまだその時期ではないとし、諦めた方が良いです。いきみすぎて痔になるのも嫌ですから。この場合は、一旦部屋に戻って、仙骨をマッサージします。もよおしてきたら再挑戦です。
トイレ内で出そうで出ない場合の対処法は、上記の他に項番4で記述した「腸骨の縁」、「間使」、「支溝」も有効です。お勧めします。
6. NHK2020/5/5テレビ「東洋医学ホントの力」でも放送していましたが、便秘解消には舌磨きも有効です。専用のブラシでやわらかく行います。