弾発指(ばね指)の症状を改善するツボです。症状が出ている指の支配神経(正中神経、橈骨神経、尺骨神経)に沿って流れる経絡上のツボを使って治します。
手法は次のように行ってください。
ツボ、または経絡の走行に沿って、指の先端または爪をゆっくり深く入れ込み、その後筋肉を引きはがすように指または爪をスライドします。
1. 症状が出ている指を問わず、共通のツボです。
①「郄門」と呼ばれているツボは3箇所あります。
右図「郄門」げきもん (腕関節掌側横紋の正中から肘に向け指5本)
腕関節と肘関節間の中央または指1本手首側になります。どちらか圧痛がある方を押してください。
「沢田流郄門」 さわだりゅうげきもん (前腕前面、肘関節正中から腕関節に向け指4本)
②右図「合谷」 (手背、第二中手骨中点の橈側のくぼみ)
弾発指の場合は、一般的に使われる代表的な位置である「手背、第2中手骨中点の橈側」より、第2中手骨中央の横のくぼみに取ります。
③極泉 (腋窩中央、腋窩動脈拍動部)
拍動部にこだわらず、数カ所を押してください。
④次の手法もお勧めです。
富永ペインクリニックの富永喜代先生が推奨している手法です。
罹患している手指の第1関節、第2関節の横じわのわきに爪を立てて押し込みます。
(参考文献)
・富永喜代(2018)『手のしびれ・指の痛みが一瞬で取れる本』青春出版社.
2. 親指、人差し指、中指に症状が出ている場合です。
①次の3つのツボをセットで押します。
右図「合谷」 前項で説明したツボです。
「陽𧮾」(第一指と第二指を伸展して、深い凹窩の生じるところ)
このツボは鎮痛効果があります。コツは円を描くように押しこみながら揉みます。「沢田流合谷」(陽谿のやや指側)も合わせて押します。
「列缺」 れっけつ 両手の拇指と示指のまたを交差させ、示指の先端が当たるところのくぼみ(橈骨茎状突起のそばのV字型の割れ目))
3. 薬指、小指に症状が出ている場合です。
①次の「養老」穴から「支正」穴に向けての経絡上に指または爪をゆっくり深く入れ込み、その後筋肉を引きはがすように指または爪をスライドします。
右図「養老」 (指で尺側茎状突起の頂点を押さえて手掌を回外すると指が滑り込む骨の割れ目)
「支正」 (前腕後内側、尺骨内縁と尺側手根屈筋の間、手関節背側横紋の上方指5本強)