手太陰肺経

:手太陰肺経(てのたいいんはいけい)の主要穴(7穴/11穴中)

《全般の症状》

  • 肺の養生、風邪の症状改善、免疫力向上、皮膚の養生、悲しみを癒す、気分の落ち込みを和らげる

⇒ 手陽明大腸経、足太陰脾経、足少陰腎経と合わせると効果が上がる

 

《流注》 るちゅう

中焦(中脘)に起こり、下って水分で大腸をまとい、還って胃口を巡り、横隔膜を上がって肺に属する。ついで気管、喉頭をめぐり、横に腋窩に出て上腕内側をめぐり、……、拇指末端に終わる。

その支なるものは、手関節の上(列缺)より示指の末端に入り手陽明大腸経に連なる

(注1) 青い太字部分にツボが配置される

(注2) 暗赤色の太字部分は見落とされがちなルート

 

《中府》 ちゅうふ

[部位] 鎖骨の外端の下方の陥凹部から指1本半下

[字義] 中焦(みぞおちからへそまで)の気が集まる(府(中心地)という)ところ

[適応症] 肺の募穴(注参照)、肺の気の循環を整える

: 咳喘息、肺炎予防、呼吸困難、顔の湿疹、リンパを流す、リンパ浮腫予防、首の痛み、肩こり、首~背中の痛み、心の疲れ

(注) 募穴:六臓六腑に1つずつ、臓腑の異常を見る、臓腑の治療点、臓腑との結びつきが強い

 

《尺沢》 しゃくたく

[部位] 肘関節前面上腕二頭筋腱の外縁

[字義] 尺は前腕、沢は陥凹部、骨と肉のくぼみ

[適応症] 肺の熱を取る、肺の気逆証(咳、痰、くしゃみ)を取る

: 風邪(特に痰)、リンパを流す、手根管症候群

 

《孔最》 こうさい

[部位] 肘関節前面上腕二頭筋腱の外縁と腕関節掌側腕横紋の外端を結ぶ線の中点より指1本上方) 

[字義] 孔はすき間)、最は著しい→腕橈骨筋の尺側にある大きな間隙

[適応症] 風邪の急性の症状改善(肺経の郄穴(げきけつ、げっけつ、注参照))

: 風邪(発作的な咳き込み)、咳喘息、リンパを流す、痔出血

(注) 郄穴(げきけつ、げっけつ):各経絡に1つずつ、急性症状は郄で取る

 

《列缺(欠)》 れっけつ

[部位] 両手の拇指と次指のまたを交差させ、示指の先端が当たるところのくぼみ

[字義]列は並ぶ、缺は破れる・欠ける→橈骨茎状突起の外側の骨の間隙

[適応症] 外風と風寒を追い出す、「頭項(頭痛、項痛、咽頭痛)は列缺に尋ねる(四総穴の1つ)」、肺経の絡穴(大腸経に連絡する)

: 首の痛み、座骨神経痛、呼吸困難、かゆみ、尿失禁、弾発指、肺炎予防、風邪、腱鞘炎

 

《太淵》 たいえん

[部位] 橈骨の手根関節の掌側腕横紋の外縁、陷中

[字義] 太は大きい、淵は水の深く湛(たた)えたところ

(注)大と太の違いは、後者には始めという意味がある→太郎

[適応症] 肺の原穴(注参照)

: リンパを流す、風邪、五十肩・肩の痛み、慢性疲労、心の疲れ

(注) 原穴:六臓六腑に1つずつ、臓腑の気がもっとも現われる、臓腑の気を補う最も重要な経穴

 

《魚際》 ぎょさい

[部位] 手掌、第一中手骨中点の橈側中央 、赤白肉際陥凹部

[字義] 拇指球が魚の形に似ており、その際

[適応症] 肺の経絡の熱を取る(肺経の滎穴)

: 五十肩・肩の痛み、ガングリオン、肘の痛み

 

《少商》 しょうしょう

[部位] 手の親指の内側爪体の角から2mm弱) 

[字義] 商(肺を表わす)の経絡の少(末端)にある

[適応症] 咽喉の炎症、口内炎、肺経の井穴(注参照)→通常は他の井穴と合わせて使用する→応用範囲が広くなる

: 肌荒れ、眠気覚まし、高血圧、心機能向上、自律神経を整える、夏を乗り切る、ヘバーデン結節、血管の養生、脂漏性皮膚炎(ニキビダニ)、脳卒中予防、風邪(喉の痛み)、養生(特に血圧の安定)、肺炎予防(免疫力の強化)、美容

(注) 井穴:各指の爪の生え際にあるツボ(湧泉を除く)、手には6箇所

 

《他の経絡上の肺に関連する重要な経穴》

  • 「肺兪」 (第三、第四胸椎棘突起間脊柱の傍、指2本) 左右の肩甲棘突起内端を結んだ線上。足太陽膀胱経、背兪穴