《全般の症状》
⇒ 手陽明大腸経、足陽明胃経と合わせると効果が上がる
《流注》 るちゅう
小指末端(少沢)に起こり、手の尺側(前谷、後谿)をめぐり、手関節を経て前腕尺側を上行して肘関節(小海)に至り、上腕後内側より肩の後から肩甲をめぐり大椎で左右が交わる。ついで缺盆に入り心をまとい、横隔膜を下り、胃に至り、小腸に属す。
その支なるものは缺盆から別れて頚をめぐり、頬に上り外眼角(瞳子髎)から耳中に入る。またその支なるものは、頬から別れて鼻から内眼角(睛明)に行き、足の太陽膀胱経に連なる。
(注1) 青い太字部分にツボが配置される
(注2) 暗赤色の太字部分は見落とされがちなルート
《少沢》 しょうたく
[部位] 小指の尺側爪体の角を去ること1～2mm弱
[字義] 少は末端、沢は水をたたえて潤沢であるところ→末端に気血がみなぎっている
[適応症] 古来、｢目翳を治す｣、つまり白内障、緑内障に効くといわれる
小腸経の井穴(注参照)←他の井穴と合わせて使用する→応用範囲が広くなる
： 肌荒れ、眠気覚まし、高血圧、心機能向上、自律神経を整える、夏を乗り切る、ヘバーデン結節、血管の養生、脂漏性皮膚炎(ニキビダニ)、脳卒中予防、風邪(喉の痛み)、養生(特に血圧の安定)、肺炎予防(免疫力の強化)、美容、下痢(風邪気味)
(注)井穴：各指の爪の生え際にあるツボ(湧泉を除く)、手には6箇所
《前谷》 ぜんこく
[部位] 小指尺側第五中手指節関節の前陥中(遠位)、白肉際
[字義] 前の谷間にある→中指節関節の前の陥凹部にある
[適応症] 小腸経の経絡に沿った熱(痛み、炎症、こり)を取る
： 腱鞘炎(小指側)、肘の痛み(内側)、五十肩、肩の痛み
《後渓》 こうけい
[部位] 小指尺側第五中手指節関節の後陥中(近位側)
[字義] 後の谷間にある→中指節関節の後の陥凹部にある
[適応症] 急性の座骨神経痛、腰痛
： 座骨神経痛、急性の腰痛、五十肩、腱鞘炎、肘の痛み、首の痛み
《腕骨》 わんこつ
[部位] 手関節後内側、第五中手骨底部と三角骨の間の陥凹部、赤白肉際
[字義] 腕は手首、骨は骨そのもの→手根骨部にある
[適応症] 小腸経の原穴(注参照)→小腸経の異常を診る
： リンパを流す、首の痛み
(注)原穴：六臓六腑に1つずつ、臓腑の気がもっとも現われる、臓腑の気を補う最も重要な経穴
《養老》 ようろう
[部位] 指で尺側茎状突起の頂点を押さえて手掌を回外すると指が滑り込む骨の割れ目
[字義] 老い（衰え）を養う
[適応症] 養生の名穴
： 弾発指、頭痛、肘の痛み、美容、首の痛み、ダイエット
《肩貞》 けんてい
[部位] 肩関節の後下方、腋下横紋後端の上方親指幅1本
[字義] 貞は定まる、止まる→気が上行して肩に当たる
[適応症] 肩の痛み（後部）の必須穴
： 五十肩、肩こり、リンパを流す、首～背中の痛み
《肩外兪》 けんがいゆ
[部位] 脊柱の正中第一胸椎下のくぼみから外方指4本離れたところ→肩甲骨上角の骨際
[字義] 肩の外側
[適応症] 肩こりの必須穴、次の肩中兪とともに用いる
： 心の疲れ、首～背中の痛み、肩こり、疲労感
《肩中兪》 けんちゅうゆ
[部位] 脊柱の正中第七頚椎下のくぼみから外方指3本離れたところ
[字義] 肩の中心部
[適応症] 肩こりの必須穴
： 心の疲れ、首～背中の痛み、肩こり、疲労感
《顴髎》 けんりょう
[部位] 頬骨の下縁目じりの直下陥中
[字義] 顴は頬骨、髎はかどすみ→頬骨の角にあるくぼみ
[適応症] 美容には必須の重要なツボ→歪みの是正、腎気の衰えからくる肌荒れ、シワ
： 美容、歯の養生、いびき
(注)顔の皮膚は筋肉の繊維と絡み合い、一体となっている→腎気の衰え→筋肉の衰え→しわ
《聴宮》 ちょうきゅう
[部位] 耳珠中央の前の陥中
[字義] 聴は聴く、宮は天子の住居
[適応症] 難聴、耳鳴りの必須穴→｢耳門(三焦経)｣、｢聴会(胆経)｣とともに用いる
： 難聴、耳鳴り、気象病、自律神経を整える
《他の経絡上の小腸に関連する重要な経穴》
(注)募穴：六臓六腑に1つずつ、臓腑の異常を見る、臓腑の治療点、臓腑との結びつきが強い