打撲の場合のツボ療法による手当てです。ここでは、打撲の箇所として、手、肘、膝、股関節を想定しています。
「患部直接の手当て」、「手指のツボへの手当て」の二つの手法をとります。
1. 患部直接への手当て
①皮下出血を起こしているまわりをシャープペンシルの先(芯を出していない状態)か楊枝の先でチクチクと刺激をします。毎日、2~3回行います。数日後、ある程度腫れが引いてきたら、皮下出血を起こしている箇所も含めて刺激をします。(右図は膝の打撲の場合)
なお、打撲を起こした直後のアイシングは必須です。
この手当ては長田裕先生、昭和の名灸師と言われた深谷伊三郎先生の療法(深谷先生の場合は糸状灸を使用)を参考にしています。
②治療を受けても痛みや腫脹が残り、特にこわばりのような違和感が取れない場合でも、この手法は有効です。数ヶ月かかりますが、こわばり、痛みがほぼ取れるまでに回復します。ただ、瞬時ににぎることができない感覚や少し細かい手先の仕事に融通が効かないような感覚は残るかもしれません。さらにその回復を目指して根気よくこの手法を続けてください。
③まれに、腫れが引かず、血液が吸収されないでかたまり、しこりのようなものが残ってしまう場合があります。しこりに痛みを感じます。この場合、皮下血腫の可能性があります。皮下血腫とは皮膚の下にできた血液の塊です。皮下出血が多い場合、患部を安静にしていない場合、血管が弱くなっている高齢者の場合に起こります。長期間治らないこともありますので、この症状の場合は病院で切開等の治療を受けてください。
2. 手指のツボへの手当て
足首、膝、股、手首、肘の各関節の痛みの緩和を狙います。
各指の関節は右図のように対応しており、対象の部位をシャープペンシル(芯を出していない状態)の先でチクチクと刺激をします。
この対応は高麗手指鍼による考え方をベースにしています。
・左手小指→左脚、左手薬指→左腕
・右手小指→右脚、右手薬指→右腕