抜け毛、薄毛

抜け毛は東洋医学的にみると「腎」の虚ととらえます。中国古代の五行思想では、「爪」、「面色(顔色)」、「唇」、「毛(体毛)」、「頭髪」を五支と言い、それぞれ順に「肝」、「心」、「脾」、「肺」、「腎」の五臓の精気の状態が反映される場所とされ、精気が充実していると色合いが鮮やかで光沢があると考えられています。つまり、「頭髪」の衰えは「腎」の衰えととらえます。東洋医学の「腎」は精気を司る働きも持つとされています。

そこで、抜け毛の対処方法としては、まず頭の血流を良くし、「腎」の働きを取り戻し、ホルモンバランスをとるツボや反射区を中心に手当てをしていきます。特に項番1、できれば朝晩2回の施術がお勧めです 

 

1. 頭のツボを使い、頭の血流を良くします。

①右図「百会」(頭部正中線と左右の耳尖を結んだ線の交叉部))

髪際から指幅7本上か7本弱(女性は6本上)で少しくぼんでいるところを探ります。「百会」、次の「四神聡」の押し方は首筋を立て脊髄の真ん中めがけて気を送りこむことをイメージします。

「四神聡」(百会の前後左右親指の幅1本)

「神」は精神の意味、「聡」は聡明の意味で、精神状態を落ち着かせることができ、自律神経のバランスが是正され、頭の感じをスッキリさせる効果があるツボです。百会の後のツボは単独で「防老」と呼ばれ、抜け毛、薄毛、白髪の特効穴です。

 

次に督脈、前髪際指2本下から前髪際までの線(正中線から外側に向けて額中線、額旁Ⅰ線、額旁Ⅱ線、額旁Ⅲ線)を念入りに押してください。

 

次に右図督脈(頭の正中線)、膀胱経(頭の正中線から指二本横)、胆経(前頭部眉毛中央を上がった線及びその外側の線)という経絡(ツボの経路)を前髪際から後方に少しずつ上がっていきます。

 

 

・人に施術する場合は親指で指圧をします。自分でやる場合は中指を使います。経絡に沿って指2本ずつぐらい離して押していきます。押したら3~5秒キープします。できれば、「頭のツボ図解」ページを参照し、督脈、頭頂部の膀胱経、胆経の個々のツボの位置を意識してください。 

 

2. 後頸部のツボを使います。

①右図「風池」(僧帽筋腱(僧帽筋の起始部)と胸鎖乳突筋の間の陥凹部、後頭骨の骨際)

体の正中線より指3本弱外側に位置します。

「天柱」(盆のくぼの中央から指2本外側で僧帽筋腱の外縁陥凹部)

左右の「風池」を結んだ線より少し下側に位置します。「風池」を結んだ線には「上天柱」というツボがあり、「天柱」に劣らぬ効用があります。

首を後ろに倒し、首の重みを利用して右側は左手の(左側は右手の)中指で押さえた方が効きます。

健脳」 (風池より指幅1本下)

抜け毛、薄毛、白髪の特効穴です。

「百労」 (脊柱の正中第七頸椎棘から指幅3本分上、外側指1.5本)

人によって第七頸椎棘から指幅4本分上が効く場合もあります。

 

3. 手のツボです。

①右図「腎穴」 (手掌側で小指の指先側、第一関節の横しわ中央)

片方の手の親指の爪で押します。

②右図「陽池」 (腕関節背面中央)

③右図「合谷」 (手背、第二中手骨中点の橈側のくぼみ)

4.次に足の反射区とツボで「腎」の働きを取り戻し、ホルモンバランスをとります。

①右図「頭蓋冠ゾーン」 (足の親指の腹の頭部)

「脳下垂体ゾーン」 (足の親指の腹の中央)

「湧泉」(五指を屈し足底中央の最も隅なるところ)

「副腎」 (「湧泉」の下)

「腎臓ゾーン」 (第二、第三中足骨の近位端でリスフラン関節線の上) 

指圧棒を使ってしっかりと押し揉みます。指圧棒は100円ショップで購入できます。