狭心症に対し、脈管系を司る「心包経」という経絡(ツボの経路)のツボ、心臓に関連する足の反射区で予防していきます。狭心症の元の要因となっている「脂質異常症」、「高血圧」、「糖尿病」のツボ療法もあわせて行ってください。
《豆知識》
・狭心症と心筋梗塞は冠状動脈硬化が進行し、その血流が妨げられて虚血を招く虚血性心疾患ですが、両者は全く別の病気です。
・狭心症から心筋梗塞に進展するわけではありません。
・狭心症と心筋梗塞は、冠状動脈の動脈硬化から生じるプラークの質が違います。
心筋梗塞のプラークは中心部の脂質コア(コレステロールなどの塊)が大きいのに、それを包む繊維性皮質が薄く、ちょっとしたことでも破裂しやすいので「不安定プラーク」といわれています。
・狭心症のプラークは中心部の脂質コアが小さいこと、それを包む繊維製皮膜も厚いことから、ちょっとやそっとで破裂しないので「安定プラーク」といわれています。
(豆知識の参考文献)
・久保一人(2015)『血管年齢を簡単に10歳若くする方法』さくら舎.Page97
1. まず、手にある「心包経」の代表的なツボと胸のツボです。
右図「郄門」げきもん (腕関節掌側横紋の正中から肘に向け指5本)
腕関節と肘関節間の中央より、指1本手首側になります。ただし、このツボより肘側の部位「沢田流郄門」 (肘関節正中から腕関節に向け指4本)に反応がある場合は、この「沢田流郄門」を使います。どちらか圧痛があるほうを押してください。「郄門」は心臓疾患のツボとして必須穴と言われています。
「内関」 (腕関節掌側横紋の正中から肘に向け指2本)
胸部、心窩部の痛みや疾患、自律神経の安定、不安や動揺の調和に効く名穴です。
右図「中衝」 (中指の橈側端爪体の角を去ること2mm)
爪で押してください。
右図「膻中」 だんちゅう (胸骨体の中央、両乳中穴を結び正中線と交わるところ、胸骨の正中で少し窪んだくぼんだところで按じて痛むところ、または、左右の脇の下を結んだ線の中点から真下の指4本)
中指を軽く当てます。または軽く回します。決して強く揉まないでください。
2. 心臓に関連する足の反射区です。
右図「脾臓ゾーン」 (足の甲側・裏側第三、第四、第五の中足骨の基部でリスフラン関節上)
このゾーンは左足のみです。特に狭心症の場合は足の甲側に痛みがあり、効果的です。順番は次の「心臓ゾーン」を行う前にこの「脾臓ゾーン」を押してください。
右図「腹腔神経叢」(「湧泉」(足の五本の指を内側に曲げた時にできる凹んだところ)というツボを中心に第一中足骨と第二中足骨の間から、第三中足骨と第四中足骨の間までの範囲)
特に、親指と人差し指のまたから踵方向に4cm下がったふくらみの稜線上、そして、そこから拇指球の下のくぼみまでの箇所が効きます。
「心臓ゾーン」の反射区は東洋式と欧米式の反射療法で異なる位置を示しています。本ページでは双方を使います。
右図欧米式「心臓ゾーン」
右の足裏は、第一中足骨末梢部より第一中足骨内側の半分よりやや末梢によった部分の内側縁までカーブした半月形です。左の足裏は、第一中足骨末梢部より第二中足骨の外側をカーブして第一中足骨内側縁中央部に達する半楕円形です。やさしく押すのがコツです。
右図東洋式「心臓ゾーン」 (左足の裏での中指と薬指のまたから3~4cm踵より)
この「心臓ゾーン」は左足のみです。加えて、斜線の部分全体を探ってください。圧痛があれば押してください。