白内障は東洋医学の観点からみると、目を司る「肝」、先天の気に関わる「腎」の衰え(この場合は老化)から来るものと見なします。治し方としては目のまわりの気(生体エネルギー)、血、水の流れを整え、首の後のこりを取り、肝、腎の働きを高めます。
1. 定番の目のまわりのツボです。
3秒程度押し、1秒休み、これを2~3回程度繰り返します。このセットを一日数回行います。「晴明」と「承泣」は強く押さないでください。軽く抑える程度です。
①右図「攅竹」 さんちく (眉毛内端の陥中)
親指か中指で上45度の方向に押し上げます。他の指は必ず支えに回してください。このツボの面白い効用としてしゃっくり止めがあります。
「下攅竹」 しもさんちく (「攅竹」の下の小さなくぼみ)
「上晴明」 かみせいめい (「下攅竹」の下の小さなくぼみ)
「陽白」 (前頭部眉毛中央より親指幅1本上)
眉間と前髪際間の下から1/3で、小さなくぼみがあります。
「魚腰」 ぎょよう (眉の中央部分の少しまぶたに下りた眼窩のきわ)
親指で上45度の方向に押し上げます。
「絲竹空」 しちくくう (眉毛外端の陥中)
小刻みに押します。
「瞳子髎」 どうしりょう (外眼角の外方指1本弱、骨が少し陥凹するところ)
「承泣」 しょうきゅう (眼窩下縁瞳子の直下6~7mm、縦に線上のものがある)
抑える程度です。
「晴明」 (顔面部、内眼角の内上方と眼下内側壁の間の陥凹部)
目頭より内側やや上(3~4mm)の鼻根部の小さなくぼみで、鼻に向かって抑える程度です。
②右図「太陽」 (目じりから髪の生え際に向かう間にあるこめかみの大きなくぼみ)
白内障、老眼予防には欠かせないツボです。「眼医者ごろし」という異名があるぐらいの名穴です。まゆ尻と目尻の中央から、やや後ろにあり、正確にはこめかみからやや目尻寄りにあります。
「和髎」 わりょう (もみあげの後方、耳介の付け根の前方)
「太陽」、「和髎」とも押した後、目がすっきりします。側頭部の頭痛にも効くツボです。
2. 後頭部にある定番のツボから治していきます。
① 涙液の流れ、血行を良くするツボです。
右図の外後頭隆起の上下の横の線を押します。
目安として、
右図b1外後頭隆起の下の線(2本)、
b2外後頭隆起の上の線、
を中心部から側頭部にかけて押してください。b2の線上には「脳戸」、「玉枕」、「脳空」というツボが並んでいます。
「脳戸」 (頭部、外後頭隆起上方の陥凹部)
「玉枕」 (「脳戸」の外方指1.5本強の小さなくぼみ)
「脳空」 (「玉枕」の外方指1.5本弱(「脳戸」の外方指3本)のくぼみ)
且つ、耳尖(耳介の尖がった先)の指1本弱上から指4本ほど後方のくぼみ(「星状点(アステリオン)」)も念入りに押して下さい。
「星状点」 (ラムダ縫合、頭頂乳突縫合及び後頭乳突縫合の合点) お勧めです。
②首の後ろのこりを取ります。
右図「風池」 (僧帽筋腱(僧帽筋の起始部)と胸鎖乳突筋の間の陥凹部、後頭骨の骨際)
体の正中線より指3本弱外側に位置します。視力改善には欠かせないツボです。
「天柱」 (盆のくぼの中央から指2本外側で僧帽筋腱の外縁陥凹部)
左右の「風池」を結んだ線より少し下側に位置します。「風池」を結んだ線には「上天柱」というツボがあり、「天柱」に劣らぬ効用があります。首を後ろに倒し、首の重みを利用して右側は左手の(左側は右手の)中指で押さえた方が効きます。
「健脳」 (風池より指幅1.5本下)
指幅1本下という説もありますが、本サイトでは1.5本下とします。
「百労」 (脊柱の正中第七頸椎棘から指幅3本分上、外側指1.5本)
人によって第七頸椎棘から指幅4本分上が効く場合もあります。
3. 手軽にできる手のツボです。
両手の中指の腹を横方向に、片方の手指の爪か、シャープペンシル(芯を出していない状態)の先でチクチクと刺激をします。中指の腹の中心線で横から見て一番高いところを「鼻」ととらえ、「目」の横の線はそれより上になります。
4. 肝、腎の働きを促進させます。
①右図「湧泉」 (足の五指を屈し足底中央の最も隅なるところ)
「腎臓ゾーン」 (第二、第三中足骨の近位端でリスフラン関節線の上)
「肝臓ゾーン」 (右足裏にあり、第二中足骨より第五中足骨のほとんどをカバー)
このゾーンは右足のみです。外側に向けて押します。特に、薬指から4センチほど下に圧痛を感じると思いますので、念入りに押してください。
②右図「太衝」 (第一、第二中足間を圧上して指の止まるところ)
目は肝の経絡(ツボの経路)に属し、定評のあるツボです。