眠気覚ましのツボのなかで、人前であまり目立たなくて手当ができるツボを紹介します。どのツボでも結構です。ご自分に合ったツボを押してください。いずれも覚醒と血液循環の促進を狙います。
1. まず、手のツボです。
①右図 各指の爪の生え際(爪体の角から2mm弱)の6か所
「少商」、「商陽」、「中衝」、「関衝」、「少衝」、「少沢」
内側から「内」、「内」、「内」、「外」、「内」、「外」と覚えるとよいと思います。これらのツボは井穴と呼ばれ、ここでは血液循環の促進を狙います。親指の爪で押します。特に「中衝」は念入りに押してください。井穴は急性の熱疾患や急を要する病態、精神疾患、からだ全体の冷えを取るのに有効です。「養生のツボ」として日常的に押すことを勧めているツボです。
②右図「労宮」(中指、薬指を折り曲げて双方の先端の当たるところの中間)
中指、薬指双方の先端の中間ではなく、中指の先端という説もありますが、ここでは中間とします。徐々に力を入れていきます。
2. 頭と顔のツボです。
①右図「山根」 (両目の間で、両目の瞳を結んだ線よりやや上)
覚醒に定評があるツボです。
②右図「水溝」 (鼻の下の溝の中点または上1/3)
「人中」とも呼ばれ、覚醒させるための古来有名なツボです。爪で切るように押さえます。
③右図「百会」 (頭部正中線と左右の耳尖を結んだ線の交叉部))
3. 首の後ろのツボです。
①右図「風池」 (僧帽筋腱(僧帽筋の起始部)と胸鎖乳突筋の間の陥凹部、後頭骨の骨際)
体の正中線より指3本弱外側に位置します。
「天柱」 (盆のくぼの中央から指2本外側で僧帽筋腱の外縁陥凹部)
お勧めのツボです。
「風池」を結んだ線より少し下側に位置します。「風池」を結んだ線には「上天柱」というツボがあり、「天柱」に劣らぬ効用があります。首を後ろに倒し、首の重みを利用して右側は左手の(左側は右手の)中指で押さえた方が効きます。