督脈

:督脈(とくみゃく)の主要穴(13穴/28穴中)

《全般の症状》

  • 督脈は「陽脈の海」と呼ばれ、全ての陽の経絡を統括していると定義づけられている。従って、陽の経絡の病証は督脈にもあらわれる。
  • 本サイトは特に脳の疲れを癒やし、精神の落ち着きを取り戻すことを目的として督脈を使用している。

《流注》 るちゅう

下腹部内の胞中に起こり、下って会陰部に出る。肛門をめぐって後方に向かい脊柱の内部に行く。直上して項の後方の風府に達し脳内に進入する再びめぐって、頭頂に達する。前頭に沿って下り、鼻柱の下方に至る。

(注1) 青い太字部分にツボが配置される

(注2) 暗赤色の太字部分は見落とされがちなルート

 

《長強》 ちょうきょう

[部位] 尾骨の下方、尾骨端と肛門の中央

[字義] 長は始め、強はこわばり→督脈の始めのツボで背骨のこわばりに効あり

[適応症] 痔の予防に最適

: 痔疾

 

《命門》 めいもん

[部位] 腰部、後正中線上、第二腰椎棘突起下方の陥凹部→背中から触れる第十二肋骨の先端を結んだ線と後正中線の交わったところ→「腎兪」、「志室」と同じ高さ

[字義] 生命の生まれ出る門

[適応症] 腎と膀胱の機能不全を補う。「寒」、「虚弱」、「虚」の病証に適応

: 糖尿病、関節リウマチ

 

《神道》 しんどう

[部位] 上背部、後正中線上、第五胸椎棘突起下方の陥凹部→「心兪」と同じ高さ

[字義] 神は心、道は通り道→心に気血の通じるところ

[適応症] 精神情緒面での失調、健忘、咳嗽

: 咳喘息

 

《身柱》 しんちゅう

[部位] 上背部、後正中線上、第三胸椎棘突起下方の陥凹部

[字義] 身体の柱→脊柱を指す

[適応症] 小さな子供には必須のツボ→気持ちを落ち着かせる

: チック症

 

《大椎》 だいつい

[部位] 後頸部、後正中線上、第七頸椎棘突起下方の陥凹部

[字義] 一番大きい椎骨

[適応症] 風邪の名穴

: 疲労感、風邪

 

《瘂門》 あもん

[部位] 項窩の正中、後頭骨下際のくぼみで、指で盆の窪を押し上げて止まるところ→盆の窪で最も陥凹しているところに取る→「風府」から5mm下。同じ並びに「天柱」がある

[字義] 失語症に良いツボ

[適応症] 花粉症、頭痛、鼻血→脳の熱をさます

: 花粉症、鼻血

 

《風府》 ふうふ

[部位] 外後頭隆起下方(指二本弱)の陥中→水平線上に「風池」がある

[字義] 府は集まるところ→風の進入するルート

[適応症] 風邪、花粉症、頭痛、鼻血→脳の熱をさます

: 花粉症、鼻血、脳の疲れ、肺炎予防、風邪、認知症

(注1) 風邪の進行ルート:風門→風池→風府→上へor/and下へ

(注2) 督脈の流注によれば風府から脳に入る

 

《脳戸》 のうこ

[部位] 外後頭隆起直上陥中

[字義] 脳への出入り口

[適応症] 後頸部のこわばり、眼疾患

: 脳の疲れ、眼瞼痙攣、目の疲れ、ドライアイ、緑内障、疲労感、花粉症、白内障、慢性疲労、心の疲れ

 

《百会》 ひゃくえ

[部位] 頭部正中線と左右の耳尖を結んだ線の交叉部

[字義] 膀胱経、胆経、三焦経、肝経、督脈が会うところ→百の経絡が会うところ 

[適応症] 紀元前から使われているツボ、脳の気・穴・水を調和させる代表的なツボ

: 認知症、物忘れ、脳の疲れ、心の疲れ、自律神経を整える、頭痛、疲労感、不眠症、慢性疲労、鎮静作用、高血圧、脳卒中予防、更年期障害、低血圧、めまい、抜け毛、下腹部の内臓下垂予防、花粉症、養生、むくみ、眠気覚まし、

 

《顖会》 しんえ

[部位] 上星より指1本強後ろ、または髪の生え際から指幅3本上、押してくぼみを探す

[字義] 顖は大泉門→大泉門にあるツボ

[適応症] 鼻疾患、頭痛

: めまい、鼻血、花粉症

 

《上星》 じょうせい

[部位] 手関節横紋を鼻尖に当て、中指先端の当たるところ

[字義] 星を見上げるときに一番高いところにある

[適応症] 鼻疾患の必須穴

: 花粉症、鼻血、頭痛、風邪(鼻水)、いびき、めまい

 

《神庭》 しんてい

[部位] 鼻の真上、髪際(かみぎわ)より指1本弱入る

[字義] 神は脳、庭は額

[適応症] 鼻疾患、頭痛

: 認知症、花粉症

 

《水溝》 すいこう→「人中」ともいう

[部位] 鼻の下の溝の中点または上1/3

[字義] 鼻水の通る溝

[適応症] 熱中症、卒倒の必須穴

: 熱中症(親指の爪で切るように押す強刺激)、歯の養生