糖尿病予備群(境界型)の段階における最小限行って欲しい治療法のポイントについて記述します。生活習慣上の徹底した自己管理が必要です。それでもこの段階を脱するのには数年~10年はかかると思います。長い年月にわたる自己管理の覚悟が必要です。症状が出ないだけ、ややもすれば、根気が続きません。
治療のポイントは次の通りです。筆者自身も過去に糖尿病予備群と診断され、以下の項目は自らの経験、試行錯誤も含まれています。糖尿病予備群になって時間が浅ければ、回復は十分に可能です。
1.ゆるい糖質制限をしてください。
・間食を控えてください。
どうしても食べたいのであれば、「良いことがあった日だけにする」とか、「食後に少し加える」とか制限に工夫をしてください。食間は控えてください。
・アルコールを控えてください。
・ナッツ類、特にくるみを勧めますが、一日10粒程度に抑えてください。
・手が震えるとか動悸がするとかの低血糖の症状が出てきたら、その時点で糖分を補給してください。
2.有酸素、筋肉トレーニングの運動療法を実施してください。
・1週間で150分の有酸素運動をしてください。有酸素運動は自分に合ったものをしてください。
・ウォーキングする場合は次のことに留意してください。
一日8000歩(日常的な歩行を含む)、そのうち20分は時速6kmが必要です。
・筋肉トレーニング(体の大きな筋肉、特に下半身)は必須です。「運動による養生法」ページの「片足立ちをしながら、足上げ、太もも上げ」、「コーナースクワット」を勧めます。
(参考文献)
・岡田定(2019)『どんな薬よりも効果のある治療法』主婦の友社.
・青柳幸利(2013)『あらゆる病気を防ぐ 「一日8000歩・速歩き20分」健康法』草思社 ←「中之条研究」:群馬県中之条町の65歳以上の全住民5000人を対象に、日常の身体活動と病気予防の関係について2000年度から長期にわたり調査してきた研究