美容(たるみ)

法令線、顎(あご)、首周りのたるみを改善するツボです。咀嚼筋の強化、歯の養生も狙います。この効用は抗老という観点からも重要です。

効果が現れるまで時間がかかりますが、確実な効果を出します

 

1. 法令線近辺、口元のたるみの改善です。

右図「顴髎」 けんりょう (頬骨の下縁目じりの直下陥中)→顔のゆがみ

「地倉」 ちそう (口角の傍四分(5mm))→口元のたるみ

「散笑」 さんしょう (法令線の中央、迎香と地倉の間)→法令線、二重顎

なお、迎香は鼻唇溝中(法令線上)、鼻翼(小鼻)外縁中点と同じ高さです。

2. フェースライン、特に顎のラインのたるみの改善です。

①歯の養生(特に歯周病)にも効果があります。

右図「太陽」 (目じりから髪の生え際に向かう間にあるこめかみの大きなくぼみ)→顔のむくみ

「下関」 げかん (頬骨弓の下縁中点と下顎切痕の間の陥凹部)→顔のたるみ

耳珠の下の方の前に下顎骨関節突起が触れ、さらにその前の陥凹部にとります。口を開けると下顎骨関節突起が前に移動して陥凹部が持ち上がります。「太陽」の縦の線より後方になります。「太陽」、「下関」は顔の血流を良くし、美肌にも良い必須のツボです。

「頬車」 (下顎角の指1本前上方)→顎のたるみ

「大迎」 (下顎角の前方指2本半弱の陥凹部、動脈手に応じるところ)→顔やせ

 

②たるみを改善することだけではなく、要因のひとつである舌骨筋群の衰えによる嚥下障害を防ぐことを目的とします。フェースライン、下顎部の下部を右図の通り、楊枝1本でチクチクと刺激をします。2~3往復で結構です。

3. 首のたるみの改善です。

右図「上廉泉」 かみれんせん (顎の真下のちょっとへこんだ部分)→顎のたるみ、二重顎

「天容」 (前頸部、下顎角と同じ高さ、胸鎖乳突筋前方の陥凹部)→たるみ

「天牖」 てんゆう (前頸部、下顎角と同じ高さ、胸鎖乳突筋後方の陥凹部)→たるみ

「天窓」 てんそう (喉頭隆起と同じ高さで胸鎖乳突筋の後縁にとる) →首のたるみ

「扶突」 ふとつ (前頸部、喉頭隆起上縁と同じ高さ、胸鎖乳突筋の前縁と後縁の間(中央))

これらのツボは、顔を横に向け胸鎖乳突筋を浮き出させた状態で、中指で軽く押します。胸鎖乳突筋近くのツボは刺激が強いので長押しは避けてください。3~5秒押しを繰り返してください。 

 

4. 目のまわりのたるみの改善です。疲れ目、視力回復にもよく効きます。

「攅竹」 さんちく (眉毛内端の陥中)→まぶたのむくみ 

「魚腰」 ぎょよう (眉の中央部分の少しまぶたに下りた眼窩のきわ)→上まぶたのたるみ

親指で斜め上45度の方向に押す感じです。視力を改善するツボとしても有名です。

「絲竹空」 しちくくう (眉毛外端の陥中)→たるみ

小刻みに押します。  

「瞳子髎」 どうしりょう (外眼角の外方指1本弱、骨が少し陥凹するところ)→目じりのしわ、乾燥  

「球後」 きゅうご (目尻から目頭に向かって1/4の目のふち)→下まぶたのたるみ

1/4が分かりにくいと思います。人差し指を横にして指の腹全体で軽く抑えます。 

「晴明」 (顔面部、内眼角の内上方と眼下内側壁の間の陥凹部)→疲れ目

目頭より内側やや上(3~4mm)の鼻根部の小さなくぼみで、鼻に向かって垂直に軽く押します。

 

5. リフトアップ

右図「頭維」 (額角髪際から指1本弱入ったところ)

「率谷」 そっこく (耳尖の直上、指2本)

僅か前方に陥みがあります。

 

6. 表情筋のトレーニング

①表情筋のトレーニングは、たるみを改善するために有効な手段です。トレーニングの方法はいろいろあると思いますが、資生堂の「フェースマッスルプログラム」を薦めます。

 

②もうひとつお勧めなのは、福岡のみらいクリニック院長で内科医・東洋医学会漢方専門医の今井一彰先生が提唱する口呼吸を鼻呼吸に改善していく口の体操「あいうべ体操」です。簡単ですが、いろいろな動作が含まれています。

先生のサイトでは次のように説明しています。

(1) 「あー」と口を大きく開く

(2) 「いー」と口を大きく横に広げる

(3) 「うー」と口を強く前に突き出す

(4) 「ベー」と舌を突き出して下に伸ばす

(1)~(4)を1セットとし、1日30セットを目安に毎日続けます。

 

7. 次は、中国に古くから伝わるシワが増えることを防止する気功法です。「浴面生華」といいます。

①手のひらをこすり合わせ、温めます。

②両手のひらを左右の頬に当て、顔の内側から外側へ、手のひらでゆっくり力を入れず楕円状になでていきます。顔に温かみが出てきたら終わりです。古書には18~36回とあります。一日2セット行います。