自律神経を整える

自律神経のバランスを改善します。季節の変わり目に有効です。季節の変わり目は気候の変化に加え、生活環境も変化します。

頭、手、足、耳のそれぞれのツボ、呼吸法といろいろな方法があります。時と場合により使い分けてください。「頭のツボを使う方法」、「手のツボを使う方法」がお勧めです

 

胃痛」、「不眠症」、「非びらん性胃食道逆流症(逆流性食道炎)」の症状がある方はそれぞれのページも参照してください。

 

《豆知識》

・自律神経は1日の時間帯の他、気圧や気温、湿度、そして季節などの環境変化によっても常に揺れ動いているため、時期や時間で体がさらに影響を受けてしまいます。自律神経の揺り戻しで症状が出やすくなり、過剰な偏りに拍車をかけて、その結果、病気が起こります。

・本当に楽しい、おもしろい仕事と感じていても、無理し過ぎの生き方は体にストレスが溜まっていきます。その反対に、何でも自分の好き放題では、自由過ぎて緩んでしまいます。特にからだを完全に甘やかしてはいけません。ストレスのなさ過ぎる生活は、ひ弱になります。小さなことに考えすぎ、悩みが多くなります

・「無理せず、楽せず

 

(豆知識の参考文献)

・安保徹(2013)『安保徹のやさしい解体新書』実業之日本社.

 

《頭のツボを使う方法》

1. 最もお勧めする頭のツボです時間はかかりますが、一日1回は施術してほしいツボです。

最初に頭頂部のツボを押します。 

①右図「百会」(左右の耳尖を結んだ線と正中線との交叉部)

髪際から指幅7本上か7本弱(女性は6本上)で少しくぼんでいるところを探ります。脳を活性化し、集中力を高めます。

「四神聡」 (百会の前後左右親指の幅1本)

「神」は精神の意味、「聡」は聡明の意味で、精神状態を落ち着かせることができ、自律神経のバランスが是正され、頭の感じをスッキリさせる効果があるツボです。

 

前頭部のツボです

次に督脈、前髪際指2本下から前髪際までの線(正中線から外側に向けて額中線、額旁Ⅰ線、額旁Ⅱ線、額旁Ⅲ線)を念入りに押してください。脳活性化を狙います。

 

③次は宮崎県日南市から山元敏勝先生が世界に発信している山元式頭鍼療法のひとつです。

」、「」、「」 (正中線から1cmの両側、生え際から2cm下、1cmごとに眼、鼻、口を配置)

」 (鼻点の両側約2cm)

 

 

(本項の参考文献)

・王暁明 (2015) 『頭鍼臨床解剖マップ』 医歯薬出版. 

・加藤直哉・冨田祥史 (2019)『山元式新頭鍼療法の実践』山元敏勝監修 三和書籍. 

 

④右図「陽白」  (前頭部眉毛中央より親指幅1本上)

眉間と前髪際間の下から1/3で、小さなくぼみがあります。

目の愁訴を取り除きます。

陽白の左右を同時に押すとより気持ちよさが出ます。

頭頂部のツボです。

次に右図督脈(頭の正中線)、膀胱経(頭の正中線から指二本横)、胆経(前頭部眉毛中央を上がった線及びその外側の線)という経絡(ツボの経路)を前髪際から後方に少しずつ上がっていきます。

 

 

・人に施術する場合は親指で指圧をします。自分でやる場合は中指を使います。経絡に沿って指2本ずつぐらい離して押していきます。押したら3~5秒キープします。できれば、「頭のツボ図解」ページを参照し、督脈、頭頂部の膀胱経、胆経の個々のツボの位置を意識してください。 

 

後頭部、後頸部のツボです。

⑥次に右図の外後頭隆起の上の箇所を押します。

 

「脳戸」 (頭部、外後頭隆起上方の陥凹部)

「玉枕」 (「脳戸」の外方指1.5本強の小さなくぼみ))

「脳空」 (「玉枕」の外方指1.5本弱(「脳戸」の外方指3本)のくぼみ)

「アステリオン(星状点)」(「脳空」より指2本上、少し外側のくぼみ)ラムダ縫合、頭頂乳突縫合及び後頭乳突縫合の合点です。

 

⑦耳の後ろのツボを使います。

右図「完骨」 (乳様突起下端より後上方指1本弱(骨がくぼんだところ)または乳様突起下端より後下方、陥凹部)

安眠」 (耳たぶのうしろに触れる乳様突起という骨(頭蓋骨の一部の尖ったところ)の後ろ側の少しくぼんだところ)お勧めのツボです。目の方向に押します。

「翳風」 えいふう (耳垂後方、乳様突起下端前方の陥凹部)耳たぶの後ろにあり、口を開けば陥凹部が現れます。「翳風」は「耳のツボを使う方法」でも出てきます。

 

⑧後頸部のツボを使います。

乳様突起下のエリア(右図参照)を押します。上記「安眠」の同じ高さになります。お勧めします。

右図「風池」 (僧帽筋腱(僧帽筋の起始部)と胸鎖乳突筋の間の陥凹部、後頭骨の骨際)

体の正中線より指3本弱外側に位置します。

「風府」 (外後頭隆起下方(指二本弱)の陥中)

「風池」と同じ高さになります。

「天柱」 (盆のくぼの中央から指2本外側で僧帽筋腱の外縁陥凹部)

左右の「風池」を結んだ線より少し下側に位置します。「風池」を結んだ線には「上天柱」というツボがあり、「天柱」に劣らぬ効用があります。

首を後ろに倒し、首の重みを利用して右側は左手の(左側は右手の)中指で押さえた方が効きます。

「健脳」 (風池より指幅1.5本下)

指幅1本下という説もありますが、本サイトでは1.5本下とします。ツボの名前通り健脳を狙います。

「百労」 (脊柱の正中第七頸椎棘から指幅3本分上、外側指1.5本)

人によって第七頸椎棘から指幅4本分上が効く場合もあります。

《手のツボを使う方法》

2. 手軽にできる手のツボです。どの方法もお勧めです。

①右図「内関」 (腕関節掌側横紋の正中から肘に向け指2本)

「労宮」(中指、薬指を折り曲げて双方の先端の当たるところの中間)

中指、薬指双方の先端の中間ではなく、中指の先端という説もありますが、ここでは中間とします。手のひらの中心は「手心」と呼ばれるゾーンで、「労宮」のまわりも含めてゆっくり押してください。気持ちも落ち着きます。

「神門」 (腕横紋上で尺側手根屈筋腱の橈側(親指側)にとる)

不安(パニック)を取り除き、気持ちを安定させます。片方の手の拇指で皮膚に直角に押し、示指の根元の方向に押しこんで脱力します。そのほうがひびきがあると思います。

 

②各指の爪の生え際(爪体の角から2mm弱)の6か所です。

右図「少商」、「商陽」、「中衝」、「関衝」、「少衝」、「小沢」

内側から「内」、「内」、「内」、「外」、「内」、「外」と覚えるとよいと思います。これらのツボは井穴と呼ばれ、急性の熱疾患や急を要する病態、精神疾患に良いと言われています。

 

《耳のまわりのツボを使う方法》

3. 耳や耳のまわりのツボを使う方法です。

親指と人差し指で耳の上、下、横を挟み、それぞれ上方、下方、横方向にそれぞれ3~5回ずつやさしくひっぱります。コツは次の通りです。

・右図矢印の元から先端の方向に指で軽擦しながら引っ張ります。

・少し顔を上向き加減にして、口をぽかんとあけます。自然にあくびが出れば正解です。

 

耳をめぐる経絡のツボから改善しますお勧めのツボです。これもあくびが出れば正解です。

右図「翳風」 えいふう (耳垂後方、乳様突起下端前方の陥凹部)

耳たぶの後ろにあり、口を開けば陥凹部が現れます。口を軽く開けた状態で押します。

「瘈脈」 けいみゃく (耳の上角と翳風の耳の輪郭に沿って結ぶ曲線上、翳風から1/3で乳様突起中央の陥中)

「顱息」 ろそく(耳の上角と翳風の耳の輪郭に沿って結ぶ曲線上、翳風から2/3で骨陥中)

「耳門」 (耳珠の上切痕前陥中)

「聴宮」 ちょうきゅう (耳珠中央の前の陥中)

「聴会」 ちょうえ (耳珠の前下方で口を開いたときの陥中)

ダイエットの耳ツボ「飢点」はこのツボより上方で耳側になります。

「耳門」、「聴宮」、「聴会」とも口を開けながら、凹んでいるところを押すのがコツです 

 

右図「率谷」 (耳尖の直上、指2本)

「天衝」 (耳介の付け根の後縁の直上と率谷と同じ高さの交点)

「浮白」 ふはく (頭部、乳様突起の後上方、天衝と完骨(項番1)を結ぶ(耳の輪郭に沿った)曲線上、天衝から1/3) 

「頭の竅陰」 あたまのきょういん (頭部、乳様突起の後上方、天衝と完骨(項番1)を結ぶ(耳の輪郭に沿った)曲線上、天衝から2/3)

 

 

《胸鎖乳突筋のツボを使う方法》

4. 胸鎖乳突筋の後の縁のツボをマッサージします。お勧めの方法です。

顔を横に向け胸鎖乳突筋を浮き出させた状態で、胸鎖乳突筋の後ろ側の縁を下から上の方へ順に指の腹で軽く回しながら押し揉んでください。3回程度行ってください。コリがある場合は痛みますが、すこし手加減しながら行ってください。

《気功法による方法》

5. 気功法のひとつで「聴息法」です。呼吸を意識します。

①夜寝床の中で、体、特に顔をリラックスします。目は閉じます。

椅子に座った状態でも結構です。背筋を軽く伸ばし、背もたれから離します。

②吐く息を意識します(聴きます)。

③時間にして5分ぐらいです。

④最初は腹式呼吸、胸式呼吸、鼻で吐く等はどちらでも構いませんが、自然に腹式呼吸で、口を小さく空けて吐くようになり、吐く息が長くなります。

⑤雑念が浮かんできたら、注意を呼吸に戻します。雑念が生じて当然です。

⑥腹式呼吸をする際、おへその上と下に左右の手掌をそれぞれ横に当て、おなかの膨らみとへこみを感じると、より腹式呼吸が実感できると思います。

 

(本項の参考文献)

・鵜沼宏樹(2008)『元気になれるとっておきのツボ療法』婦人之友社.

・ジョン・カバットジン(2007)『マインドフルネスストレス低減法』春木豊訳 北大路書房.

 

《足の反射区を使う方法》

6. 自律神経のバランスをとるのに有名な足の反射区です。

右図「腹腔神経叢」 (「湧泉」(足の五本の指を内側に曲げた時にできるくぼんだところ)というツボを中心に第一中足骨と第二中足骨の間から、第三中足骨と第四中足骨の間までの範囲)

太陽神経叢ともいいます。