認知症予防のポイント

生き方、生活習慣で認知症を予防することについて、調べたことを書き留めました。

認知症の予防、初期における改善のツボ療法については「認知症」を参照してください。 

1. 知的好奇心をもつこと、外出&社会との接触、役割があること、目標を持つこと

①脳の最高の栄養素は運動と並んで「知的好奇心」

②「ナン・スタディ」(678名の修道女(ナン)を対象にした疫学の研究:Aging with Grace(翻訳「100歳の美しい脳」)→シスター・バーナデッドの例:アルツハイマーの最も重い段階の症状であるが、84歳時脳の衰えは一切見られない→教職活動を通じて知的活動を続けた結果、脳細胞間のネットワークが発達し、灰白質(かいはくしつ)の体積が大きくなった。

③何より大切なもの→人と人とのコミュニケーション、みんなで楽しむこと(笑顔)、心地よい時間、好奇心

④自分にとっての役割があること、自分が役に立っていること

⑤現役時代とは違う「勇気」を持つこと

⑥目標を持つこと、但し周到な計画を立てること、実現に向かってステップを踏むこと、場合によっては方向転換すること

⑦楽しむこと、長続きできることをやること

 

2. 有酸素運動、筋肉トレーニング、バランス運動は日常的に必須

→生活習慣病予防、ロコモティブシンドローム(運動器症候群)対策にも有効

①30分の有酸素運動が「海馬(記憶に関する重要な役割)」の体積を増やし、認知機能を高める。

②内臓脂肪型の肥満は脳に大敵(脳が萎縮)、この現象は女性に見られない。

③運動は中年~高齢期では週2回ほど、ちょっと息が切れたり、汗が出る程度の運動を20~30分(こま切れでも良い)

④肥満よりも内臓脂肪が問題→動脈硬化を進行させる物質が出る→動脈硬化→脳に血液が届きにくくなる→脳の神経細胞が弱ってしまう

⑤MCI(Mild Cognitive Impairment(軽度認知障害))の人は正常の人と比べ脳内ネットワークの繋がりが明らかに弱まっていた。

⑥それは歩行→正常な人とMCIの疑いがある人との歩き方を比べてみると、MCIの疑いがある人は足腰が悪いわけではないのに歩く速さが遅くなっていた。

⑦さらに足の運び方なども測定してみると、正常な人より歩幅が狭くなっている。さらに足の裏に掛かる圧力が一定ではなくふらつきやすいことが分かった。

⑧脳内ネットワークが弱まると、なぜ歩行が不安定になるのか。私たちが歩いている最中、脳内では視覚や空間認識に関わるネットワークが働き、刻々と変化する周囲の状況を瞬時に判断している。さらにバランスをとるときは体の感覚や運動に関わる脳内ネットワークが働く。こうしたたくさんのネットワークが同時に働くからこそ、私たちは歩くことができている。ところがMCIの人はこれらが弱まるため歩くのが遅くなったり、バランスが不安定(歩行のリズムが悪い)になったりする。

 

3. 脳卒中の予防

①脳内ネットワークの衰えを改善するにはどうしたらいいのか。脳内ネットワークを結びつけているものの正体は情報を電気信号で伝える神経細胞で、周りの血管から栄養と酸素を貰って活動している。この神経細胞や血管に異常が起こることが衰えの原因。

②アルツハイマー病が進行した脳に小さな梗塞を経験すると、それがスイッチの役割を果たし、痴呆のさまざまな症状があらわれる。

③分類毎の割合は「アルツハイマー型」4~5割、「脳血管性(脳梗塞や脳出血、くも膜下出血等)」2割、「レビー小体型」2割

 

4. 「理性」で考えること、「深く」考えること、「志」を持って考えること

①東洋医学は、精神作用を五行思想から「魂(精神を支える気)」、「神(精神・意識・思惟の主宰)」、「意智(しようとする思い、熟慮すること)」、「魄(激しい意気込み)」、「精志(意を支える心、根気、志)」に分け、その中で特に「神」、「意智」、「精志」の衰えが認知症に影響を与える。「神」、「意智」、「精志」はわかりやすく言うと「理性で考えること」、「しようという思いと深く考えること」、「志を持って考えること」。東洋医学はこれらの「考える」ことを活性化するためにそれぞれ対応する五臓のうち「心」、「脾」、「腎」のツボを補う。

②コップに半分入っている水をどう見るか、「半分しか入っていない」とみるか、「半分も入っている」とみるか。どちらでもない。「半分入っている」といいう事実を見る。あるがままに見ること

③人間の体の中で、一番酸素をほしがるか器官は脳である。重さ2%の脳が酸素の15~25%を使っている。特に海馬。酸素をたっぷり含んだ血液が入ってこないと脳は息が詰まる。

 

5. 噛むことは大事、五感も大事、特に嗅覚

①噛むこと→脳(海馬)を活性化

②噛むことによって、神経細胞が刺激を受け、脳の機能が維持される。歯周病→歯が抜ける→認知症が多い[→入れ歯をすることで防止できる]

③「嗅細胞」→「嗅球」→「海馬」

 

《参考文献等》

・瀧靖之(2015)『生涯健康脳』ソレイユ出版

・デヴィッド・スノウドン(2004)『100歳の美しい脳』DHC           

・NHKスペシャル(2015/11/14放送)『シリーズ認知症革命・第1回 ついにわかった!予防への道』

・山口晴保(2014)『認知症にならない、負けない生き方』サンマーク出版

・山口晴保(2014)『認知症予防 脳を守るライフスタイルの秘訣』協同医書出版社

・伊藤隼也(2014)『認知症予防のための簡単レッスン20』文藝春秋

・築山節(2017)『定年認知症にならない脳が冴える新17の習慣』集英社

・築山節(2014)『いくつになっても、脳は磨ける』講談社.