足少陽胆経

:足少陽胆経(あしのしょうようたんけい)の主要穴(23穴/44穴中)

《全般の症状》

  • めまい、片頭痛、難聴/耳鳴り、関節の損傷/疲労、座骨神経痛→特に側面の痛み、熱

⇒  足厥陰肝経、手少陽三焦経と合わせると効果が上がる

 

《流注》 るちゅう

外眼角(瞳子髎)に起こり、上がって側頭部に至り、耳の後に下り、頚をめぐったのち、肩に上がる。大椎で左右が交わり肩をめぐったのち缺盆に入る。その支なるものは耳後より耳中に入り、耳前に出て目じりに至る。

その支なるものは外眼角より別れて大迎に下り、頬に上がり、手の少陽三焦経に合し、下って下顎角へ行き、ついで欠盆で先のものと合する。欠盆から胸中に下り、横隔膜を貫いて肝をまとい胆に属する

その直なるものは肩から側胸部、季肋部をめぐり、別支は胆に属したのち脇をめぐり、鼠径部の気衝に入り、ともに股関節のあたりに入り合する。(注3参照)

股関節のあたりから大腿および下腿の外側を下り、足の第4指の末端に終わる。その支なるものは足背から分かれて母指に行き、足の厥陰肝経に連なる。

(注1) 青い太字部分にツボが配置される

(注2) 暗赤色の太字部分は見落とされがちなルート

(注3) 1970年代の文献によると、本線は脇をめぐった後、「上髎」、「次髎」、「中髎」、「下髎」、「長強」を経て「環跳」で合するとしている(代田文誌(1978)『針灸治療基礎学』より)

 

《瞳子髎》 どうしりょう

[部位] 外眼角の外方指1本弱、骨が少し陥凹するところ

[字義] 瞳子はひとみ、髎は骨のくぼみ→眼窩の縁にあるツボ

[適応症] 眼科疾患

: 目の疲れ、飛蚊症、白内障、美容、糖尿病

 

《聴会》 ちょうえ

[部位] 耳珠の前下方で口を開いたときの陥中

[字義] 聴は聴く、耳孔、会はあつめる→耳孔の前にあり、耳の気の集まるところ

[適応症] 難聴、耳鳴りの必須穴→「耳門(胆経)」、「聴宮(小腸経)」とともに使う

: 難聴、耳鳴り、気象病、自律神経を整える

 

《曲鬢》 きょくびん   

[部位] もみあげ後縁の垂線と耳尖の水平線の交点

[字義] 鬢の前で折れ曲がり上行する

[適応症] 頭痛 →「懸顱」、「懸釐」とともに使う

: 片頭痛

 

《率谷》 そっこく   

[部位] 耳尖の直上、指2本

[字義] 率は沿う、谷はくぼみ→耳のまわりの髪際に沿って探し、くぼみを見つける

[適応症]  頭痛、脳の疲れ→「天衝」、「浮白」、「頭の竅陰」とともに使う

: 脳の疲れ、慢性疲労、疲労感、心の疲れ、めまい、眼瞼痙攣、緑内障、白内障、ドライアイ、目の疲れ、花粉症

 

《完骨》 かんこつ

[部位] 乳様突起下端より後上方指1本弱(骨がくぼんだところ)または乳様突起下端より後下方、陥凹部

[字義] 乳様突起を完骨と称した

[適応症]  首から頭への気、血の流れを良くする代表穴

: 頭痛、気象病、難聴、耳鳴り、脳の疲れ、首~背中の痛み、自律神経を整える、リンパを流す、疲労感

 

《陽白》 ようはく

[部位] 前頭部眉毛中央より親指幅1本上

[字義] 陽は上、白は空いてくぼんでいる→眼窩の上にあるくぼみ

 [適応症] 目の愁訴で有名なツボだが、本サイトは「四白」とともに美白のツボとしてよく使う

: 美容、白内障、頭痛

 

《頭臨泣》 あたまのりんきゅう

[部位] 頭部、前髪際の上方指幅半分、瞳孔線上→「陽白」の直上にとる

[字義] 高見にあって下を望み、流涙を治す

[適応症] 目の異常、本サイトは脳の血流改善として「目窓」、「正営」、「承霊」とともに使う

: 脳の疲れ、認知症

 

《脳空》 のうくう

[部位] 頭部、外後頭隆起上縁の高さ、次の「風池」の直上→正中線から指3本外

[字義] 空はくぼみ→後頭下部にあるくぼみ

[適応症]  脳の血流改善、目に潤いを与えるツボの1つ

: 脳の疲れ、目の疲れ、緑内障、白内障、眼瞼痙攣、ドライアイ、花粉症、疲労感、慢性疲労、心の疲れ、

 

《風池》 ふうち

[部位] 僧帽筋腱(僧帽筋の起始部)と胸鎖乳突筋の間の陥凹部、後頭骨の骨際

[字義] 風邪がここ(池)に停滞する

[適応症] 足少陽胆経の異常を治す代表的なツボ→交感神経系の過剰反応が見られるあらゆる症例

: 風邪、首の痛み、肩こり、首~背中の痛み、頭痛、睡眠時無呼吸症候群、高血圧、認知症、物忘れ、脳の疲れ、心の疲れ、疲労感、低血圧、花粉症、目の疲れ、白内障、肺炎予防、リンパを流す、更年期障害、鼻血、抜け毛、眠気覚まし、

 

《肩井》 けんせい

[部位] 第七頸椎棘と肩の骨の先端(肩峰角)を結んだ中央

[字義] 鎖骨上窩部で井戸になったようなところ

[適応症] 肩こりには必須の名穴中の名穴

: 肩こり、首の痛み、心の疲れ、高血圧、疲労感、首~背中の痛み、頭痛、乳腺炎

 

《日月》 じつげつ

[部位] 前胸部、第七肋間、乳頭線(鎖骨中点の垂線)上→みぞおちより指一本強下の横の線と鎖骨中点の垂線の交点

[字義] 日と月を合わせると「明」である→「胆は決断や勇気を司る」ためには自らが明らかであること、中正であること、公正であること←胆の経絡の募穴である

[適応症]  足少陽胆経の募穴

: 嘔気、呑酸、げっぷ

(注)募穴:六臓六腑に1つずつ、臓腑の異常を見る、臓腑の治療点、臓腑との結びつきが強い

 

《京門》 けいもん

[部位] 側腹部、第十二肋骨端下縁

[字義] 京は人々が集まるところ→先天の元気が出入りし、集まるところ

[適応症] 足少陰腎経の募穴

: 腎虚

 

《帯脈》 たいみゃく

[部位] 第十一肋骨端下方、臍と同じ高さ

[字義] 腰に締める帯の当たるところ

[適応症] 更年期障害

: 更年期障害、ダイエット、自律神経を整える

 

《居髎》 きょりょう

[部位] 臀部、上前腸骨棘と大転子の頂点の中点

[字義] 居はかがむ、髎は骨の陥凹部→膝を屈したときに上前腸骨棘と大転子の頂点の中点当たりがくぼむ

[適応症]  股関節痛の必須穴

: 股関節痛、脊柱管狭窄症、腰背部の疲れ

 

《環跳》 かんちょう

[部位] 大腿骨大転子の頂点と仙骨裂孔を結ぶ線の大転子から1/3→大転子から指4本内側の圧痛点に取る

[字義] 環は輪、跳は飛ぶ→飛ぶときに膝を深く曲げるとできる横紋の外端

[適応症]  股関節痛の必須穴

: 股関節痛、座骨神経痛、脊柱管狭窄症、腰背部の疲れ、慢性の疲れ

 

《風市》 ふうし

[部位] 大腿部外側、直立して腕を下垂し、手掌を大腿部につけたとき、中指の先端が当たる腸脛靱帯の後方部、圧痛点にとる

[字義] 風の気が集まるところ

[適応症]  下半身の胆経の異常には必須のツボ

: 座骨神経痛、腰背部の疲れ、脊柱管狭窄症、股関節痛、脳卒中後遺症、脳卒中予防

 

《陽陵泉》 ようりょうせん

[部位] 腓骨小頭(膝の外側、斜め下の小さな骨)の前下際

[字義] 陽は膝の外側、陵は腓骨頭、泉はその前下方のくぼみ 

[適応症]  筋肉の痛みの必須穴

: 足の疲れ、座骨神経痛、こむら返り、逆流性食道炎、膝痛、足首の痛み、腰背部の疲れ、脊柱管狭窄症、股関節痛、急性の腰痛

 

《外丘》 がいきゅう  

[部位] 下腿外側、腓骨の前方、外踝の頂点と膝下横紋外側とを結ぶ線上の中点から指1本強下方

[字義] 下腿外側の丘のように隆起しているところ

[適応症] 側面のこわばり、痛み(胆経の郄穴)

: 脊柱管狭窄症、腰背部の疲れ

(注) 郄穴(げきけつ、げっけつ):各経絡に1つずつ、急性症状は郄で取る

 

《光明》 こうめい  

[部位] 外踝の上、指4本+3本弱且つ腓骨の前方

[字義] 目の疾患に効果がある

[適応症] 目の疾患

: 緑内障、脊柱管狭窄症

 

《陽輔》 ようほ

[部位] 外踝の上、指5本(片手)且つ5mm前方で腓骨の前のくぼみ

[字義] 陽は外側、輔は腓骨→腓骨外側にある

[適応症]  下肢外側痛→次の「懸鐘」とともに使う

: 緑内障、脊柱管狭窄症、足の疲れ

 

《懸鐘》 けんしょう

[部位] 外踝の上指4本、腓骨前縁に取る

[字義] この場所に鐘の形をした鈴をつり下げたという謂われからこの名前がついた

[適応症] 下肢外側痛

: 足の疲れ、下肢静脈瘤、骨粗鬆症、膀胱炎、脊柱管狭窄症、腰背部の疲れ、

 

《丘墟》 きゅうきょ

[部位] 第四、第五中足間を圧上して外踝の前で指の止まるところ。外踝の前下端、最も陥凹するところ

[字義] 丘墟はどちらも丘の意味、外踝を表す

[適応症] 胆経の原穴(注参照)

: リンパを流す

(注)原穴:六臓六腑に1つずつ、臓腑の気がもっとも現われる、臓腑の気を補う最も重要な経穴

 

《俠谿》 きょうけい

[部位] 足背、第四、第五指間、みずかきの近位、赤白肉際

[字義] 第四、第五指間の狭い溝

[適応症]  慢性の膝の痛み、股関節痛に必須

: 膝の痛み、股関節痛

 

《他の経絡上の膀胱に関連する重要な経穴》

  • 「胆兪」 (第四、第五胸椎棘突起間脊柱の傍、指2本) : 足太陽膀胱経、背兪穴