《下半身の強化》
1. 筋肉の強さの目安です。一般的にロコモ度テストと言われています。
・椅子に座って、片足だけで立てる(立ったあと3秒間キープ)かどうかのテストです。
・手は腕組み、上げる片足の方は、膝を少し伸ばしておいてください。反動をつけないでください。これができなければ、筋力が落ちてきていると考えてください。
2. 椅子から立ちあがる
・スクワットと同じ効果を狙います。毎回椅子に座りますので、スクワットの正しい姿勢が自然にでき、膝の故障を避けることができます。
・腕を胸の前で組みます。
・立ち上がる前に、いったん体を後ろに倒し、背中を背もたれにつけます。この姿勢から立ち上がることで腹筋を鍛えます。
・5カウントでゆっくり立ち上がります。
・8カウントでゆっくり座ります。お尻を後ろに突き出すイメージで座ります。できるだけ、座る直前でこらえます。
・この一連の動作を5~10回繰り返します。
3. 上記2の方法でも膝に負担がかかる方向けのスクワットです。「コーナー・スクワット」と呼ばれている方法です。
・部屋のコーナーの隅に立ちます。
・足は壁に沿わせます。従って、膝、足先は壁際に沿うことになります。
・足の広げる範囲は、腰を落としたときに膝が足先より出ないような広さになります。
・腰をコーナーに沿わせたまま、落としていきます。
・目線は下向きです。大腿四頭筋のみならず、ハムストリングも緊張します。
4. 膝伸ばし(レッグエクステンション)
・大腿四頭筋を鍛えます。
・座ったまま、片方の膝をまっすぐ伸ばします。伸ばした後、足首をそらします。
・足指は前に曲げます。
・この動作を片方ずつ繰り返します。10回行います。
5. 膝曲げ(レッグカール)
・ハムストリングを鍛えます。
・立ったまま、脚をいったん前方に出し、次に後方に引き寄せながら、膝を曲げます。その際、手の先に触るように意識します。
・この動作を片方ずつ繰り返します。10回行います。バランスが取りにくい場合は、何かにつかまります。
6. 内転筋
・椅子にすわり、膝頭のあたりに少し大きめ(10~15cm)のボールをはさみ、内ももに力を入れて3秒間キープします。これを5回繰り返します。
7. つま先立ち
・主に下腿三頭筋を鍛えます。
・踵を上げ、ゆっくりと踵を下ろす動作を繰り返します。
・目安として2秒で上げ、3秒で下ろします。
・壁に手をかけて安定させ、行います。
・足の親指で支えるイメージです。
・慣れてきたら、壁に手をかけないで行うとより強度が増します。
・1回ごとに踵をつけないことで強度が増します。
・20回を1セットとします。
《バランス運動と下半身の筋肉トレーニングの組み合わせ》
8. 片足立ち
・骨粗鬆症や転倒による骨折防止に有効です。昭和大学の阪本桂造先生によると1分間の片足立ちの負荷は53分の歩行に匹敵するそうです。
・バランスをとるとき、足の指を意識してください。
・腰の左右に手を当ててください。
・左右それぞれ1分ずつ、出来れば2分ずつ、1日1~3回行ってください。
9. 足上げ
・大臀筋、中臀筋、ハムストリングを鍛えます。
・まっすぐ立ち、片足立ちのまま、もう一方の片足を前、横及び斜め後ろ(中臀筋を鍛える)、後ろ(大臀筋、ハムストリングを鍛える)に上げ、キープします。上げる高さは踵が床から20~30cmぐらいです。なお、片足立ちをしてもふらつかないようにバランスがとれるのは中臀筋のおかげです。
・安定しない場合は壁に手をついてください。
・認知症予防として、上げる時は声を出して1から5まで数え、下ろす時も同様にします。10回行います。
10. 太もも上げ
・腸腰筋を鍛えます。
・腸腰筋は腸骨筋、大腰筋及び小腰筋から構成され、股関節を屈曲する筋肉です。小腰筋はほとんど退化しており、実質腸骨筋、大腰筋で構成しています。
・この筋肉が衰えると猫背姿勢になり、足が上がりにくく、つまずきやすくなります。
・まっすぐ立ち、太ももを前方に上げます。股関節の角度は慣れてきたら90度ぐらいです。
・加えて、太ももの先、膝から10cmぐらい上を両手でつかみ抵抗を与えます。抵抗を与えることがポイントです。