逆流性食道炎

本ページは炎症が認められない(症状だけはある)「非びらん性胃食道逆流症」も対象です。

 

逆流性食道炎になりやすい根本原因として、次のような体質が考えられます。

①「湿熱」→夜遅く食べたりすることが習慣化し、食べすぎ・飲みすぎから、過剰な「水」と「熱」が体の中で充満します。

②「気滞」→ストレスからイライラすることが多く、気が下から上にあがり、主に上半身にこもり、抑鬱傾向、喉のつかえ感、胸のつまった感じ、季肋部のつかえ感、げっぷといった症状が出ます。

③「気逆」→体を巡る気の流れに異常が起こり、気が逆流したり、上がったままになる状態です。特に逆流性食道炎のような症状を「胃気上逆」と言います。

④「気虚」→気が不足し、疲労倦怠感、消化器系の機能低下があります。冷えの症状も出ます。

 

●こういった体質を改善することが先決です。「体質とツボ」ページを参考にしてください。自律神経を調整することも有効です。「自律神経を整える」ページを参照してください。特に非びらん性胃食道逆流症の場合は必須です

●姿勢も大事です。食事中、食後に前かがみや猫背にならないように注意してください。早食いも厳禁です。

口腔機能を整えることも逆流性食道炎の改善に役立ちます。

逆流した胃酸を早く胃に戻すには、舌・咽頭・嚥下の動きがしっかりしていることが大切です。

特に膠原病の方や高齢者では、嚥下機能が弱くなることで逆流症状が悪化しやすくなります。

そのため、

・パタカラ運動(口輪筋・舌・咽頭の強化)

・あいうべ運動(舌の位置改善・唾液分泌促進)

は、逆流性食道炎の補助的な改善法として有効です。

パタカラ運動、あいうべ運動は「嚥下困難、誤嚥予防」ページを参考にしてください。

●肩、肩甲骨間のストレッチ、聴息法という呼吸法も有効です。「運動による養生法」ページを参照してください。

 

以下のツボや反射区はどの体質のタイプでも有効です。

再発しやすい病気と言われています。症状の改善が見られても手当ては続けてください。 

 

1. 症状の改善を図ります。

①右図「食道」 (足の甲側及び裏側、親指と人差し指の間、中足骨間隙の下1/3までの間)

特に足裏食道の反射区の下は噴門の反射区(右図右側の丸で囲まれたところ)で念入りに押します。圧痛があるところは15秒ぐらい長押しをしてください。点線部分にも圧痛があれば、押し揉んでください。圧痛がなくなれば、良くなっている証拠です。

②右図「陽陵泉」 (腓骨小頭(膝の外側、斜め下の小さな骨)の前下際)

胃酸を抑えます。

「足三里」(膝の外側直下の小さなくぼみから指4本分下)は押さないでください。胃酸を逆に分泌してしまいます。

2. 気持ちを落ち着かせます。ここでは、気持ちを落ち着かせると同時に消化器系に良いツボと反射区を示します。

①お勧めのツボです。特に非びらん性胃食道逆流症と診断された方にお勧めします

右図「中脘」 (胸骨体下端(肋骨弓が交差する部位)から臍までの線の中央)

臍の中心から真上に指4本+1本のところに圧痛を探る方法が分かりやすいと思います。胃腸疾患の名穴です。

巨闕」 こけつ (胸骨体下端(肋骨弓が交差する部位)から指3本分下)

胸骨体下端は、みぞおち下から上方にさすると出っ張り(剣状突起)があり、その上のくぼみになります。

天枢」 (臍の両傍指2本半~3本)

いずれのツボも強いストレスや心労をいやす名穴です。

少し前かがみの姿勢または仰向けに寝て押します。自律神経がバランスを崩している場合は腹部の筋肉が硬くなっています。頻繁に、やわらかく押すかまたは揉みほぐします。

 

②右図「内関」 (腕関節掌側横紋の正中から肘に向け指2本)

自律神経の安定、不安や動揺の調和、胸部、心窩部の痛みや疾患に効く名穴です。

③右図「膻中」 (胸骨体の中央、両乳中穴を結び正中線と交わるところ、胸骨の正中で少し窪んだくぼんだところで按じて痛むところ、または、左右の脇の下を結んだ線の中点から真下の指4本)

中指を軽く当てます。または軽く回します。決して強く揉まないでください。 古来、「気」の病に効果的なツボとして有名です。 

 

④右図「腹腔神経叢」 (「湧泉」(足の五本の指を内側に曲げた時にできるくぼんだところ)というツボを中心に第一中足骨と第二中足骨の間から、第三中足骨と第四中足骨の間までの範囲)

太陽神経叢ともいいます。神経の緊張状態を取り除く有名なゾーンです。

 

⑤横隔膜を使って症状を軽くする方法です。

・食道と胃の境目には逆流を防ぐための弁のような筋肉(下部食道括約筋)があり、横隔膜はその外側から“締める力”を補強しています。下部食道括約筋は食道と胃の境目にある輪状の筋肉で「内側の弁」、横隔膜は「食道裂孔」で食道を締める「外側の弁」の役割をしています。この2つが二重の逆流防止装置になっています。

深い腹式呼吸で横隔膜を使って逆流を防ぐことが目的です。浅い胸式呼吸だと胸郭が上がり、逆に胃が押し上げられやすくなります。横隔膜を使う腹式呼吸は、腹圧を安定させて胃の位置を落ち着かせる効果も期待できます。胃が上に持ち上がると、下部食道括約筋と横隔膜の位置関係がズレるため、二重の逆流防止機構が弱まります

・腹式呼吸の方法は次の通りです。

椅子に座り、背筋を軽く伸ばし、両手を肋骨の下(肋骨弓)に入れ、肋骨の縁全体を揉んでいきます。そして、ゆっくり大きな腹式呼吸をします。5〜10回繰り返します。

 

[注] 単純で自然な腹式呼吸のコツ→手をおなかに当て、次のことを感じる。

●吸うとき

・横隔膜が下がる

お腹が前にふくらむ

    ←横隔膜脚(crura)は収縮し、

     食道裂孔を締める(逆流防止が強まる)

    ←横隔膜全体として“緊張している状態”

 

●吐くとき

・横隔膜が上がる

お腹がへこむ

   ←横隔膜脚の緊張がゆるみ、食道裂孔の締め付けは弱まる

   ←横隔膜の”緊張が解けている状態”

 

 

3. 消化を促すべく唾液を出すことも有効な改善方法のひとつです。

①右図「下関」 げかん (頬骨弓の下縁中点と下顎切痕の間の陥凹部)

耳珠の下の方の前に下顎骨関節突起が触れ、さらにその前の陥凹部にとります。口を開けると下顎骨関節突起が前に移動して陥凹部が持ち上がります。上の奥歯の養生です。

「翳風」 えいふう (耳垂後方、乳様突起下端前方の陥凹部)

耳たぶの後ろにあり、口を開けば陥凹部が現れます。口を軽く開けた状態で押します。下の奥歯の養生です。

「頬車」 (下顎角の指1本前上方)

「大迎」 (下顎角の前方指2本半弱の陥凹部、動脈手に応じるところ)

「大迎」を含む下顎骨の下縁3~4cmのエリア(右図緑)も押しこんでください。唾液が出てきます。