首の痛み

慢性的な首の痛みやこりに対する治療法です。

 

慢性的な痛みに対しては、その要因を取り除くことが大事です。

医者に診断してもらい、器質的な原因がなければ、生活習慣的なものが考えられます。特にPCを良く使われる方は首の痛み、腰痛になりがちです。前かがみにならないように、PCの画面の位置を手前に近づけてください。

 

炎症を起こしていて首が痛いとき、首をマッサージしたり、叩いたり、押したりすることは厳禁です。余計悪くなり、治りが遅くなります。次項にあるストレッチや手、足のツボがお勧めです。

 

1. 治療法としては壁に後頭部を押し付け、首から下は壁から離します。顎は引きます。「軽め」に押し付け、そのまま5~10秒じっとします。これを一日何回か行います。「軽め」の目安は全力の半分くらいの力です。慢性の期間により、完治するまでかなりの期間がかかるかもしれませんが、必ず治ります。

ベッドやふとんにあおむけになり、後頭部に力を入れて枕を押す方法もあります。力を入れたまま5秒間、その姿勢を保ちます。力を入れた時、顎が上がらないように気をつけてください。この方法は2007/05/23NHKためしてガッテンで放送されました。

番組では次の方法も紹介しています。

・背もたれのある椅子に座って背すじを伸ばし、額に手を当てます。手に力を入れ、そこに向かって頭を押しつけて下さい。これを頭の前、後、左、右の4方向で行います。

・力の目安は、全力を10とすると5~6くらい

付け加えますと、痛い方向にはやらないこと、気持ちよいところで止めること、気持ちよい方向に多く行うことです。慣れてきたら5秒終わった後軽く脱力してください。寝ながらに後頭部、左右の側頭部を軽く押しつける方法も良いと思います。

 

2. 次のストレッチもおすすめです。予防法としても最適です。

立った姿勢で腕は下ろしておきます。まず、肩を後屈します。肩を後屈したまま、腕を挙げていきます。挙げることができるまでです。痛みがある場合はそこで止めます。そして、肩を後屈したまま下げます。この動作を5~10回繰り返します。肩を後屈したまま動かすのがポイントです。

 

3. 次は手軽にできる手のツボです。

①右図のツボを押します。「頸項点」、「落枕」が基本ですが、「咽頭点」、aに圧痛が出る場合はこちらも押し揉んでください。

「頸項点」 (手をグーにして、人差し指と中指の骨の出っ張りの間)

「落枕」 (上記頸項点から約1センチ下がったところ)

寝違いの特効穴です。

「咽頭点」 (手をグーにして、中指と薬指の骨の出っ張りの間)

a (上記「咽頭点」から約1センチ下がったところ)

簡便法として、これらのツボを含む一帯(右図)を揉みほぐす方法もあります。

②さらに手のツボです。

右図 「列缺」(両手の拇指と示指のまたを交差させ、示指の先端が当たるところのくぼみ)

古来「頭項は列缺に尋ねる」と言われる有名なツボです。慢性の痛みの場合、刺激を持続させるためにピップエレキバンを貼ることを勧めます。時々、ピップエレキバンの上から拇指の爪先で手首方向へ力を入れて押します。

 

右図「外関」 (腕関節背側横紋の中心(やや小指側)から上方指2本、橈骨と尺骨の骨陥)

腕関節横紋から指で滑らせていくと皮膚のたるみで指が止まるところです。反対側の「内関」というツボと親指、中指で挟み、こねるようにして押します。前腕を回外した状態で押します。寝違えに有効です。そのほか、頭痛、肩関節周囲炎、坐骨神経痛にも良く効く万能穴です。

 

④右図「後谿」 (小指尺側第五中手指節関節の後陥中(近位側))

軽く握り、手掌横紋の尺側端になります。頭と首の緊張をほぐし、むちうち症、頭項強痛に有効です。

4. 足の親指の次の反射区も有効です。

右図左側「頸・項部」 (足裏の親指の基節骨全体)

足の親指の根元をぐるりともんでください。または痛い箇所にピップエレキバンを貼ってください。

右図右側「頸椎」 (足底の親指の基節骨の内側)

5. 次に慢性的な首のこりに対する定番のツボです。

右図「天柱」 (盆のくぼの中央から指2本外側で僧帽筋腱の外縁陥凹部)

次の左右の「風池」を結んだ線より少し下側に位置します。「風池」を結んだ線には「上天柱」というツボがあり、「天柱」に劣らぬ効用があります。首を後ろに倒し、首の重みを利用して右側は左手の(左側は右手の)中指で押さえた方が効きます。

「風池」 (僧帽筋腱(僧帽筋の起始部)と胸鎖乳突筋の間の陥凹部、後頭骨の骨際)

体の正中線より指3本弱外側に位置します。

「健脳」 (風池より指幅1本下)

「百労」 (脊柱の正中第七頸椎棘から指幅3本分上、外側指1.5本)

人によって第七頸椎棘から指幅4本分上が効く場合もあります。

「肩井」 (第七頚椎棘と肩の骨の先端(肩峰角)を結んだ中央)

 

第七頚椎棘という言葉が出てきましたので、ここで説明しておきます。

第七頚椎棘は、首を前に曲げると首と背中の付け根に飛び出る椎骨で、丸く一番大きく見える骨です。棘は椎骨の後端が隆起し、突出したもの (突起)を意味します。第七頚椎は頚椎(首の骨)の一番下で、次の胸椎(背骨)の一番上との違いは首を縦横振ってみると動くのが頸椎、動かないので胸椎です。動く椎骨と動かない頸椎の間のくぼみが他に比べて一番大きいのでわかると思います。簡便法として次の方法で判別してください。髪の生え際から指4本下の大きな椎骨です

 

6. 胸鎖乳突筋近辺のツボも首こり、肩こりに効果があります

右図「天容」 (前頸部、下顎角と同じ高さ、胸鎖乳突筋前方の陥凹部)

「天牖」 (前頸部、下顎角と同じ高さ、胸鎖乳突筋後方の陥凹部)

「天窓」 (喉頭隆起と同じ高さで胸鎖乳突筋の後縁) 

「扶突」 (前頸部、喉頭隆起上縁と同じ高さ、胸鎖乳突筋の前縁と後縁の間(中央))

「人迎」 (前頸部、甲状軟骨上縁(のどぼとけ)と同じ高さ、胸鎖乳突筋の前縁、総頸動脈上)

甲状軟骨上縁(のどぼとけ)と同じ高さにあり、胸鎖乳突筋の前縁が人迎、中央が扶突、後縁が天窓です。)

c (天窓の下、胸鎖乳突筋の後縁)

人差し指、中指、薬指の3本で軽く押します。

 

これらのツボは、顔を横に向け胸鎖乳突筋を浮き出させた状態で、人差し指、中指(をツボに当てて)、薬指の3本の指を揃えて、軽く押します。胸鎖乳突筋近くのツボは刺激が強いので長押しは避けてください。特に胸鎖乳突筋の前縁のツボです。3~5秒押しを繰り返してください。