75歳からの体の衰え

先日講座のなかで、75歳から衰えが目立ちますと話をした際、なぜ、75歳からですかという受講者の方から質問があったので、その回答を書き留めておきます。

 

もともと高齢者の体の衰え、特に自立度の変化の話は、東京大学の秋山弘子特任教授の研究発表(注参照)からの引用です。

 

それによると、

・男性の場合、65歳前後から自立度が低下するのは2割、75歳前後から自立度が低下するのは7割、亡くなるまで自立度が高い状態を維持できるのは1割

・女性の場合、65歳前後から自立度が低下するのは1割、残りの9割は75歳前後から自立度が低下

・75歳からの自立度の低下の原因はもっぱら骨や筋力の衰えによる運動機能の低下

 

(注)2011/2/12シンポジウム「長寿社会のまちづくり」、「プラチナ構想ハンドブック/高齢化する社会」より

 

富士通総研/経済研究所2012/4発表の「超高齢未来に向けたジェントロジー(老人学)」にも、75歳前後からの自立度低下の原因としてロコモティブシンドロームがあるとしています。

 

もう一方の見方は東洋医学でいう脾の衰えです。東洋医学の脾は消化器系のシステム全般を指します。

東洋医学の古典的教科書ともいえる文献「黄帝内経霊枢(こうていだいけいれいすう)」には、「女性は7の倍数」、「男性は8の倍数」の年齢の時に節目を迎え、体に変化が訪れるという記述があります。それによると、70歳代は脾の気が衰えはじめ、栄養が充分でなくなるとしています。

 

一方、秋山教授の発表内容によると確かに自立度は落ちるものの、「認知能力の年齢による変化」について

・短期記憶能力は50歳を境に落ちていく一方だが

・日常問題解決能力、言語(語彙)能力は年齢ともに上がる

とあります。

貝原益軒の養生訓にも「人は、50歳にならないと、血気が安定せず、知恵もまだ開けない。古今にうとく、社会の変化になれていない。言葉に誤りが多く、行動に悔いを残す。人生の道理や楽しみも未だに知らない。」とあります。

また、この続きには「人生の道理や楽しみも未だに知らない。長生きをすれば、楽しみ多く、益が多い。毎日、今まで知らなかったことを知り、今までできなかったことができるようになる。」とあります。

 

このサイトの目的は「いつまでも元気」です。

女性と言え、定期的な日常的な筋トレ、バランス運動は必須です。

そして、飲食物からのエネルギー(気)を十分に摂取できるように消化器機能の弱りを治し、食欲を低下させないようにすることも重要です。年配になってからの食事の量と質はそれまでとは違う考え方が必要です。