離れたところのツボで肩の痛みを治す

私の場合の肩のこわばりや痛みは肩関節前面に生じます。このところには肺経という経絡(ツボの経路)が走っています。経絡にはある症状によく効くツボがあり、そのなかで身熱(体の熱)を取るツボを「滎穴」と呼び、動作痛に効くと言われています。肺経では「魚際」と言うツボがこれに当たります。今回はこの「魚際」にピップエレキバンを貼り、時にせんねん灸をしました。その結果、肩関節前面の動作痛はかなり取れましたが、肩の側面、後方に動作痛が出てきました。そこで、肩を走っている全ての経絡である三焦経、小腸経、大腸経、胆経の滎穴にピップエレキバンを貼りました。「液門」、「前谷」、「二間」、「俠谿」です。後日、体重節痛(体が重くふしぶしが痛い)に効果があるとされる「兪穴」の「三間」、「後渓」を加えました。改善経過は非常に良いです。先人の知恵には感心します。

 

「魚際」(手掌、第一中手骨中点の橈側中央、赤白肉際)

「液門」(手背、薬指と小指の間、みずかきの上方(近位)陥凹部、赤白肉際)

「前谷」(小指尺側第五中手指節関節の前陥中(遠位)、赤白肉際)

「二間」(第二指の中手指節関節の前橈側陥凹部、赤白肉際)

「俠谿」(足背、第四、第五指間、みずかきの近位、赤白肉際)

「三間」(手背、第二中指節関節橈側の近位陥凹部)

「後渓」(手背、第五中指節関節尺側の近位陥凹部、赤白肉際)

 

動作痛の場合の滎穴の効用については、篠原昭二先生の著書を参考にさせていただきました。この本の出会いも感謝です。