年配になってからの膝の痛みは不安定感、こわばりを伴い、長期化、慢性化します。問題なのはなかなか完治せず、運動能力(歩く、立つ、座る)が衰え、そのまま横ばいになることです。現在ケアをしている方達に共通して言えることは大腿四頭筋、特に大腿直筋と内側広筋の衰えが見られます。そのために膝の内側を支えきれていません。
そのための対処法です。
1. 大腿四頭筋、特に大腿直筋の内側の縁、内側広筋の縁(縫工筋との間)のラインに指を入れ、筋肉を上側に引きはがすようにスライドします。
筋肉の見つけ方は次の通りです。
・大腿部内側、膝の上部に力を入れると筋肉が盛り上がります。それが内側広筋です。ちなみにその前側が大腿直筋、内側広筋の後ろ側を斜めに走る筋肉が縫工筋です。
2.足の疲労回復
右図の通り、片膝をすこし持ち上げ、膝から下を振り子のように前後に振ります。1セット30回、一日3~5セット行います。
この手法はもともと大阪市立大学大学院の名誉教授・山野慶樹先生が考案され、「ひざ振り子体操」と名付けられました。軟骨に栄養を送る関節液の流れをよくし、「軟骨のすり減りを極力防ぐ」、「軟骨を再生する」、「立ち上がりや歩き始めの痛みを防ぐ」ことを狙いとしています。
(本項の参考文献等)
・MYWELL(自分で出来る健康情報)【解説】勝呂徹(東邦大学名誉教授) (2019更新)、『【変形性膝関節症】軟骨再生を促す効果「ひざ振り子体操」のやり方』、 閲覧日 2022-2-12、 https://mywellweb.com/articles/?2104
・yomiDr.(ヨミドクター)【解説】川村昌嗣『膝の痛みに…足ブラブラ体操』(2014)、閲覧日 2022-2-12、 https://yomidr.yomiuri.co.jp/article/20140721-OYTEW62566/
3.どのような膝の痛みにでも手当てをする必須の基本のツボです。
次のツボにピップエレキバンを貼ってください。お灸もお勧めです。1壮から2壮です。熱い場合はすぐ取り除きます。水疱になることを防ぐためです。
・右図「犢鼻(外膝眼)」 とくび(がいしつがん) (膝の前面で膝の下にできるくぼみの外側)、「内膝眼」 ないしつがん (膝の前面で膝の下にできるくぼみの内側)
・膝内側の1点(項番1の図参照)
何かの拍子に痛みが出る場合があります。そのときは痛む箇所を覚えておきます。図のえんじ色で囲ったエリアが多いと思います。