下半身の柔軟性強化と腰痛予防

60台以降の女性は共通して次の特徴が出やすいです:

  • 大腿四頭筋・殿筋群の筋力低下(特に内側広筋)
  • 股関節の伸展・外旋の弱化
  • 背部の弱化による足部アーチへの反射(圧痛)
  • 仙腸関節周囲の固さ
  • 腰椎の伸展耐性の低下
  • 長年の生活習慣による“動きの癖”が固定

つまり、腰痛は“腰そのもの”よりも「下半身全体の弱化 → 代償 → 腰への負担集中」 という構造的問題が背景にあります。

 

そこでこれらの課題に対応するツボ療法、ストレッチ、気功法と紹介します。

 

1. 定番のツボです。腰椎の伸展耐性の低下、仙腸関節周囲の固さ、骨盤の後傾に対応します。

・主に「膀胱経」の経絡を使い、下半身の血流の改善を狙います。

・痛みのあるツボだけを狙わず、基本的なツボを全て使います。

・他の人、特にご家族の力を借りて、ツボ押しをやってもらうことを勧めます。

・ご自身でやる場合、2本のツボ押し棒を両手に持ち、押します。

・痛気持ちよいところで止めてください。

 

①右図「腎兪」 (第二、第三腰椎棘突起間脊柱の傍、指2本)

背中から触れる第十二肋骨の先端を結んだ線になります。

「志室」 (腎兪の傍、指2本)

「気海兪」(第三、第四腰椎棘突起間脊柱の傍、指2本)

「大腸兪」(第四、第五腰椎棘突起間脊柱の傍、指2本、腸骨の上端の高さ)   

腰眼」 (第四、第五腰椎棘突起間脊柱の傍、指4本強、腸骨の上端の高さ)

「関元兪」 (第五腰椎棘突起下縁と同じ高さ、後正中線の外方指2本)

加齢とともに「大腸兪」、「腰眼」の周囲に鈍痛が生じます。特に「腰眼」は慢性の腰痛の特効ツボです。 

次項の「小腸兪」、「膀胱兪」と続きます。

 

②仙骨孔にあるツボを2箇所押します。臀裂(いわゆるおしりの割れ目)から指1本強横です。仙骨孔は神経の通り道であるため、やさしく押します。

 

「上髎」 じょうりょう (仙骨部第一後仙骨孔)

第一後仙骨孔は次の「次髎」から擦上すると陥凹部を触れます。

「次髎」 (仙骨部第二後仙骨孔)

上後腸骨棘(じょうこうちょうこつきょく)の内側斜め下に孔があり、押すとさしこむような痛みがあります。鼠径部中央の線の真後ろで臀裂から指1本強横に陥凹部があります。

 

③臀裂から指2本横を上から2箇所押します。

小腸兪 (第一後仙骨孔と同じ高さ、正中線の外方指2)

「上髎」と同じ高さです。

膀胱兪 (第二後仙骨孔と同じ高さ、正中線の外方指2本)

「次髎」と同じ高さです。

 

④臀裂から指4本横を上から4箇所押します。

次のようなツボがあります。

「胞肓」 ほうこう (臀部、第二後仙骨孔と同じ高さ、正中仙骨稜の外方指4(次髎の外方指3))

「秩辺」 ちっぺん (第四後仙骨孔と同じ高さ、仙骨裂孔(仙骨の下端)の外方、指4本)

 

⑤臀部の応用範囲の広いツボを押します。 

「臀中」 でんちゅう (大転子から坐骨結節の線を底辺とした一辺で三角形を作り、その頂点)

上記の「秩辺」の下で少し外側の圧痛点に取ります。

「環跳」 (大腿骨大転子の頂点と仙骨裂孔を結ぶ線の大転子から1/3)

大転子から指4本内側の圧痛点に取ります。

「承扶」 (臀部、臀溝の中点) 

 

⑥右図「殷門」 いんもん (おしりにできるしわの中央から指4本+4本下)

「承扶」と次の「委中」を結ぶ線の中点より親指幅1本上です。棒状の張り、凝りを目安とします。

「委中」 (膝窩横紋の正中)

「腰背の病は委中に求む」といわれる名穴です。初めは軽く押し、次第に強めます。

「委陽」 (膝後外端、大腿二頭筋腱の内側、膝下横紋上)

「委中」の外側になります。「委陽」の指2本下も押してください。

「承筋」 (「委中」(膝窩横紋の正中)より指4+3本下) 

腓腹筋の最も盛り上がったところに取ります。

「承山」 (膝裏の横筋(横紋)と外くるぶしの先端と同じ高さのアキレス腱を結んだ中間)

外くるぶしの先端に手の中指を当て、手を広げ親指が当たったところで中間の見当をつけます。腓腹筋の両頭間でアキレス腱を圧上して指の止まるところです。

 

4.  一日一回は右図の足裏の青と緑の線で示す内側縦アーチに沿ったラインを押し込んでください。足の反射療法を利用して背部の強化を狙います。腰痛があるとこのアーチの部分に反応が出ます。

・左右の拇指を重ねていったん押し込んで、踵のほうに流します。

・病んでいるときは丸い小さなかたまり、また平板状の硬さ、引っかかりを感じます。軽く押さえても痛いはずです。その状況がなくなるまで、また痛みが止まるまで柔らかくそして長めに(15秒ぐらい)押します。数分、繰り返して行うと痛みが和らぐはずです。

・腰に重だるい痛みがある場合は、アーチのある部分に小さなかたまりを感じます。そのかたまりが柔らかくなるまで軽く押し揉んでください。10分程度かかる場合もあります。

・軽症のヘルニアの場合でも、予防的な目的で毎日施術すると症状が軽減、またはなくなります。

 

・内側からの画像も添付します。

 頸椎・・・親指の基節全体(~中足指節関節まで)

 胸椎・・・第一中足骨内側(~リスフラン関節まで)

 腰椎・・・第一楔状骨から舟状骨まで

 仙骨・・・舟状骨の端から距骨まで 

 

3. 大腿部を支える筋肉や腱の疲労回復、柔軟性の向上、こわばりの除去、筋力低下の改善が必須です。これらに対処するためのツボ療法です。対象となる筋肉や腱は大腿四頭筋(大腿直筋・外側広筋・中間広筋・内側広筋)です。大腿四頭筋・殿筋群の筋力低下(特に内側広筋)に対応します。

 

具体的な手法として

・手技としては、指または爪をゆっくり深く入れ込み、その後筋肉を引きはがすように指または爪をずらします。下の文章では「引きはがす」と表現しています。

 

①大腿四頭筋

役割としては主に膝関節の伸展に関与し、歩く動作や走る動作等多くの日常生活動作に関与します。筋力が低下すると常に膝が曲がった状態になります。

右図の2ライン(足陽明胃経、足太陰脾経)を押します。それぞれのラインを左右に切り分けるように引きはがします。このラインはほぼ大腿直筋の両サイドになります。左右に内側広筋、外側広筋があります。

 

・「犢鼻」(外膝眼(膝の前面で膝の下にできるくぼみの外側))~「梁丘」(膝蓋骨外上角の上方指3本)~「伏兎」(膝蓋骨外上角から手関節~中指尖までの長さのところ)

 

・「内膝眼」(膝の前面で膝の下にできるくぼみの内側)~「血海(大腿骨内側膝蓋骨内上角の上方指3本)~(膝蓋骨内上角から手関節~中指尖までの長さのところ)

 

4. 下腿三頭筋を鍛える

つま先立ち(カーフレイズ)後、かかと落としをします。

・踵を上げ、ゆっくりと踵を下ろす動作を繰り返します。

・目安として2秒で上げ、その後、床に踵を打ちつけます。

・壁に手をかけて安定させ、行います。

・足の親指で支えるイメージです。

・慣れてきたら、壁に手をかけないで行うとより強度が増します。

・30~50回を1セットとします。

 

5. 膝伸ばし(レッグエクステンション)

大腿四頭筋を鍛えます。

座ったまま、片方の膝をまっすぐ伸ばします。伸ばした後、足首をそらします

・足指は前に曲げます。

・この動作を片方ずつ繰り返します。10回行います。

・足を広げて、片方の足を斜め方向に伸ばすと、大腿四頭筋の内側広筋に効きます。

 

6. 次に中国に古くから伝わる気功法「スワイショウ(甩手)」のひとつです。

でんでん太鼓のように、ねじりを入れ回転しますウエスト及び下腹部を横に向けることを意識します腹部の表層の筋肉である外腹斜筋、深層の筋肉である内腹斜筋、下腹部の内臓をねじることをイメージしてください。

・立った姿勢で、足を肩幅ぐらいに広げて立ちます。その際、つま先は広げず、正面を向けます。

・腕の力を抜いて、腕を垂らしたまま、頭頂から背骨、尾骨の縦の線を軸にして、ウエストをひねって回転運動をします。ウエスト、下腹部を横に向けます。足の床への接着面はそのままです。

・腕と肩の力を十分に抜き、腕は体に巻きつくようにまかせる感じです。勢いをつけて回さないでください。

・首もあわせて回しますが、めまい防止のため回しすぎないでください。

・首は正面を向いたまま、回さない方法もあります。片頭痛の予防の場合は、顔は正面を向いたまま、首を回しません。これは重要なポイントです

・猫背で首が前に出る姿勢の方は首を前向きに固定したまま、腰をひねる方法を勧めます。

・左右に巻きつくとき口からふっと息を吐きます。吸うときは自然に任せます。但し、無理をする必要はありません。自然に任せてください。